経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 101/308

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基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 94絶対王制の成立過程/西洋経済史西ヨーロッパにおける絶対王政の成立過程と独立自営農民層の運命について述べなさい。【解説】□解説ビデオクリップしかん16世紀に入るとイギリスを....

基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 94絶対王制の成立過程/西洋経済史西ヨーロッパにおける絶対王政の成立過程と独立自営農民層の運命について述べなさい。【解説】□解説ビデオクリップしかん16世紀に入るとイギリスをはじめ西ヨーロッパでは市場経済化が進展し、領主制が弛緩し、徐々に農民層の経済的上昇がみられた。このような状況下で旧来の中世都市は衰退し、新たに農村工業を基盤とする新興都市は発展してきた。王権はこのような動きを一定促進し、旧来の領主層の権利を奪い中央集権的体制を整えていった。ただし、王権はこれら旧領主層を自己の官僚制の主要部分や常備軍の指揮官に登用し、彼らの特権を維持する行動をとった。こうして従来の領主階級と新興の市民階級を同時に政権の基盤として維持し、とりわけイギリスとフランスは経済力を高め、18世紀以降、両者は世界資本主義の覇権をめぐって争うようになっていった。最終的に経済発展の著しいイギリスが、農業革命、産業革命を達成し世界資本主義の中心となった。近世における市場経済化に伴い富裕となった農民のことをイギリスではヨーマン、フランスではラブルール、ドイツではバウワーそしてオランダではゴイセンと呼び、彼らはそれぞれの国の経済的発展の中核を担った。とりわけイギリスでは市場経済化が急速に進展する中で、市民革命によって完全に身分的に解放され、様々な権利を獲得し資本主義的農業の担い手となった。その結果、市場経済原理が貫徹し資本賃労働への分解が急速に進展し、独立自営農民層の大部分は没落し、農業労働者となるか都市へ移住する運命をたどった。参考文献:道重一郎・佐藤弘幸編『イギリス社会の形成史―市場経済の新たな視点―』三嶺書房,2000年【関連問題】年月日1.富裕化した農民をイギリスでは何と呼んだか。2.富裕化した農民をオランダでは何と呼んだか。