経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 104/308

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基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 97重化学工業の発展/西洋経済史19世紀末から20世紀初めにかけての重化学工業の発展について述べなさい。【解説】□解説ビデオクリップイギリスは産業革命の達成によって「世界の工場....

基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 97重化学工業の発展/西洋経済史19世紀末から20世紀初めにかけての重化学工業の発展について述べなさい。【解説】□解説ビデオクリップイギリスは産業革命の達成によって「世界の工場」として君臨したが、その後の第二次産業革命における新産業の発展に乗り遅れることになった。産業革命は職人的な発明家によって達成されたために経験的技術を尊重する考えに支配され、新産業に必要な組織的で高度な技術教育を展開することに立ち遅れた。それを達成したのがアメリカとドイツである。新産業は高度な学問を背景とする組織的研究によって技術が確立されたが、ドイツでは工科大学が多数設立され、そこにおいて高度な研究が推進され、ドイツ産業の急速な発展を可能にした。アメリカにおいては民間企業の研究所において組織的に研究が進められ急速な経済発展を促進した。新産業は従来に比べて巨額の設備投資を必要とし、有限責任による株式会社の採用やさらに市場支配をより強力に進める独占資本の形成を促すことになった。このような体制はドイツとアメリカで実現したがイギリスでは産業革命後も地主的価値体系が存続し、実学教育にはあまり関心がなく、株式会社についても18世紀の失敗から一般化せず、独占資本の形成も遅れた。19世紀末から20世紀初めにかけて急速に工業化が進展し、第二次産業革命と呼ばれる現象が生じた。とりわけドイツとアメリカにおいて急速な工業化が達成され、新たに電力や石油が動力源として使用されるようになり、石炭から石油へのエネルギーの転換もみられ始めた。この時期世界ではドイツ問題が喧伝され、ドイツの脅威が叫ばれるようになった。こうして二度にわたる世界大戦が戦われ、毒ガスや戦車が登場し、最終的には究極の兵器核兵器が使用された。参考文献:原輝史・工藤章編『現代ヨーロッパ経済史』有斐閣,1996年【関連問題】年月日