経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 107/308

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基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 100アジア「三角貿易」/東洋経済史いわゆるアジア「三角貿易」とは、どのようなものか説明しなさい。【解説】□解説ビデオクリップ近代においてイギリスがアジア、特に中国との交易....

基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 100アジア「三角貿易」/東洋経済史いわゆるアジア「三角貿易」とは、どのようなものか説明しなさい。【解説】□解説ビデオクリップ近代においてイギリスがアジア、特に中国との交易を展開する上での難点は収支バランスであった。イギリス(東インド会社)が中国から購入する茶は年々拡大の一途をたどり、その支払い額も膨大に膨れ上がっていた。しかし、イギリスが中国に販売できる商品はほとんど無かったため、二国間貿易によって赤字を削減する方策を持ち合わせていなかったのである。そこでイギリスが考案したのがアジアにおける「三角貿易」、すなわち多角的決済の導入である。当時のイギリスは、植民地化しつつあったインドにおいて強い影響力を有しており、インドでのアヘン栽培を開始する。このアヘンを中国に輸出することで、インドは莫大な収益を得ることになった。一方、インドはイギリスから大量の綿製品を購入していたため、アヘン輸出で得た利潤をイギリスに回すことになる。すなわち、支配下のインドをイギリスと中国の間に挟むことで、イギリスの直接的な支出を抑制することに成功したのであった。一方、中国は、アヘンの流入によって貿易収支が赤字に転落していくことになった。なお、これはイギリスがインドで紅茶栽培を開始して、中国からの茶購入量を抑制したことも一因である。【関連問題】年月日1. 1602年に設立した世界初の株式会社といわれる東インド会社は、どこの国の会社であったか。