経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 115/308

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基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 108日本の産業革命日本における産業革命の特徴として挙げられるものを次の中から選びなさい。a.毛織物工業の機械制大工業化b.綿花栽培の拡大c.大農経営の普及d.国営軍事工業の機械制....

基礎知識300歴史から学ぶ経済学# 108日本の産業革命日本における産業革命の特徴として挙げられるものを次の中から選びなさい。a.毛織物工業の機械制大工業化b.綿花栽培の拡大c.大農経営の普及d.国営軍事工業の機械制大工業化e.製糸業の機械制大工業化/日本経済史【解説】□解説ビデオクリップ19世紀初頭のイギリス資本主義の確立以降、各国において産業革命が進行する。日本の開国・開港は、19世紀半ばの時期であり繊維産業から金属機械工業へと中心産業が世界的に転換する時期に、資本主義世界体制の中に強制的に編入されたのである。日本の産業革命については、イギリスの様に繊維産業がまず工場制度に移行して、それから金属機械工業の大量生産体制が形成されるという長期にわたる発展径路は採用できなかった。19世紀半ばの、いわば鋼鉄重工業とも言うべき生産体制を軍事的に傾斜しつつ、短期的に日本においてもつくりあげることが至上命令であった。実際には、企業勃興期と言われている明治19(1886)年からの機械制紡績業の展開が始まりであったが、重工業は上から国家の手によってつくりあげられたのである。八幡製鉄所の設立が代表的なものであった。他方、在来産業を代表する製糸業と織物業は完全な機械制大工業としては成立できなかったが、輸出産業として外貨獲得に貢献する。これらの外貨は、兵器輸入や国営軍事工場であった陸海軍工廠における「大工業」の構築に向けられた。さらに、重工業の構築は原料である鉄鉱石の確保の必要から、大陸への軍事的な進出と密接に関連するものであった。(参考文献:石井寛治『日本経済史第2版』東京大学出版会, 1991年石井寛治『日本の産業革命』朝日新書, 1997年? #090産業革命の歴史的意義【関連問題】年月日1.八幡製鉄所は、現在の何市に設置されたか。2.1970年3月に八幡製鉄と富士製鉄が合併して誕生した企業は何か。