経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 129/308
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基礎知識300金融# 122金融政策経済政策論/金融論入門日本銀行が通貨や金融の調節を行う際の理念は何か。【解説】□解説ビデオクリップ日本銀行が通貨及び金融の調節を行うに当たっての理念として、「物価の安定を図....
基礎知識300金融# 122金融政策経済政策論/金融論入門日本銀行が通貨や金融の調節を行う際の理念は何か。【解説】□解説ビデオクリップ日本銀行が通貨及び金融の調節を行うに当たっての理念として、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を掲げている。これは金融政策を実施する際の理念である。金融政策(monetary policy)とは、マクロ経済におけるマネーサプライ(money supply)や金利水準を適切に保つことによって、①物価を安定させ、②GDPを適正なレベルに安定させる中央銀行の政策である。その目標を達成するために、政策手段(マネーサプライや金利の水準など)に注意を払う。GDPの水準が低い場合には、マネーサプライの増加や金利水準の低下を促し、マクロ経済の活性化を図る。一方、経済が過熱気味で、物価水準が高くなりすぎている場合には、マネーサプライの減少や金利水準の上昇を促し、経済活動の沈静化を図る。中央銀行が、あらかじめ物価水準に関して目標圏を設定し、それに収まるように金融政策を行う手法をインフレーションターゲティング(inflation targeting)と呼ぶ。インフレーションターゲティングのメリットとして、民間部門のインフレ率に関する期待を安定させる効果が指摘されている。一方で、インフレ率を適切にコントロールすることは、想像以上に難しいということが政策の現場サイドから指摘されている。金融政策の舵取りがなされるが、GDPの低下(stagnation)と物価上昇(inflation)が同時に起こるスタグフレーション(stagflation)が生じた場合は、極めて難しい舵取りを迫られる。このような場合、景気を浮揚させようとすると、物価が目標以上に上昇してしまう。逆に、物価上昇を抑制しようとすると、さらに不況を深刻化させてしまう。このような現象は、日本では1970年代の第一次石油危機後に生じた。? #138物価とスタグフレーション【関連問題】年月日1.金融政策の手段にはどのようなものがあるか。2.イングランド銀行(BOE)やカナダ銀行(BOC)で採用されている金融政策で、物価水準を目標圏内に収める方法は何と呼ばれるか。3.「インフレーション」の反対は何か。4.スタグフレーション時の金融政策の難しさについて説明しなさい。