経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 130/308
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基礎知識300金融# 123日本銀行の金融調節/金融論入門日本銀行が売りオペを行うと、マクロ経済にどのような影響がもたらされるか。【解説】□解説ビデオクリップ日本銀行の金融調節の主な政策手段として、以下の3つを....
基礎知識300金融# 123日本銀行の金融調節/金融論入門日本銀行が売りオペを行うと、マクロ経済にどのような影響がもたらされるか。【解説】□解説ビデオクリップ日本銀行の金融調節の主な政策手段として、以下の3つを挙げることができる。(1)預金準備率操作民間銀行は預金の一部を中央銀行に預け入れなくてはならない(無利息)。この比率は預金準備率(reserve requirements ratio)と呼ばれ、日本銀行はこの比率を操作することで民間金融機関の行動に影響を与える。これが下がると、民間銀行は貸し出しを増やすことができ、これが上がると、貸出量を減らさなければならない。ただし、1991年以降、預金準備率は変化しておらず、最近は政策手段として機能していない。(2)公定歩合操作公定歩合(discount rate)とは、中央銀行が民間銀行に対して貸し出しを行う際の金利をさす。例えば、日本銀行が公定歩合を上げる(金融引き締め)と、民間銀行の資金調達金利が上昇→貸出金利上昇→企業による投資の減少というように実体経済に影響を与える。日本銀行は2006年8月11日に「公定歩合」に関する統計の名称変更を行い、「基準割引率および基準貸付利率」と呼んでいる。なお、近年は金利自由化の動きを受け、銀行間での短期的な資金市場であるコールレート(Call Rate)市場での金利が公定歩合を下回り、日本銀行の政策目標はコールレートに移っている。? #129基準割引率の推移(1970~2012)グラフ(3)公開市場操作公開市場操作(open market operations)は、中央銀行が金融市場で国債などの債券を売買して市場の需給に影響を与えることで金利を調整する。例えば、国債の売りオペレーションを行うと、中央銀行が民間部門に債券を売り、資金を吸い上げることになる。結果として、マネーサプライが減少し、貸付資金市場への供給量が減る。すると市場金利は高くなり、民間部門の資金調達コストが上がることになる。公開市場操作のメリットとして、伸縮性の富み、政策実施や変更が容易で迅速に行える点が指摘されている。? #125日本銀行のバランスシート【関連問題】年月日1.公開市場操作の対象となっているインターバンク市場の名称は何か。2.公定歩合を引き上げると、マクロ経済にはどのような影響が生じるか。3.預金準備率を引き下げると、マクロ経済にどのような影響があるか。