経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 138/308
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基礎知識300金融# 131物々交換/金融論入門10種類の財が存在する物々交換経済ではいくつの交換比率が必要となるか。ただし、「A対B」と「B対A」はひとつのものとして扱う。【解説】□解説ビデオクリップ貨幣が存在し....
基礎知識300金融# 131物々交換/金融論入門10種類の財が存在する物々交換経済ではいくつの交換比率が必要となるか。ただし、「A対B」と「B対A」はひとつのものとして扱う。【解説】□解説ビデオクリップ貨幣が存在しない世界で取引を行うには物と物を直接交換するしかない。これを物々交換(barter)という。例えば、りんごとみかんを交換するためには、りんご1個で何個のみかんと交換できるのか(これを交換比率という)が分かっている必要がある。n種類の財が存在する場合、りんご1個で交換できる交換比率はりんご以外の財の数(n-1個)だけ存在する。同様にみかん1個で交換できる交換比率の数もn-1個、いちご1個で交換できる交換比率の数もn-1個というように全体でn種類分存在するので、総数はn(n-1)個存在することになる。ただし、りんごとみかんの交換が成立するためには「りんご1個はみかん2個分」と「みかん1個はりんご0.5個分」という交換比率のうち、どちらか一方が分かっていれば十分なので、重複している部分を修正すると、物々交換で必要とされる交換比率の数はn(n-1)/2個となる。以上を数学の組合せの公式を使えば、nC2= n(n-1)/2というように計算できる。よって、この問題ではn=10なので、10×(10-1)÷2=45。実際に物々交換が行われるには、①自分が欲しいモノを持っている人(取引相手)を探し、②その人が自分の持っているモノを欲しがっている、状況である。これを「欲望の二重一致」という。煩雑な物々交換を避けるために貨幣が用いられる。この貨幣を誰もが受け取ってくれるためには、一般受容性という性質を有していなくてはならない。法律で受け取らなければならないようにした通貨が法定通貨(法貨)である。支払手段としての効力が保証された通貨であり、日本銀行券は「日本銀行法」第46条第2項により法貨として無限に通用することが認められている。このように強制通用力が無限に認められている通貨を完全法貨という。一方、硬貨は「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」第7条により、額面の20倍まで法貨として通用することが認められている。20倍を超える場合は相手の同意が必要となる。このように強制通用力が部分的に認められている通貨を不完全法貨という。小切手や手形などは法貨ではないため、支払手段として用いるには受け取り手の同意が必要となる。【関連問題】年月日1.物々交換が行われるには、どのような条件が必要であるか。2.日本銀行券の法貨としての効力はどこまで認められているか。3.250円の代金を支払うために、10円硬貨を25枚用意した。店員から受取拒否をされたが、その法的根拠は何であるか。