経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 146/308

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基礎知識300金融# 139リスクと預金保険/金融論入門急に資金が必要になった場合に、調達ができずに資金不足に陥るリスクを何というか。また、銀行が破綻した時、預金保険制度によって払い戻しが保証されているのは預....

基礎知識300金融# 139リスクと預金保険/金融論入門急に資金が必要になった場合に、調達ができずに資金不足に陥るリスクを何というか。また、銀行が破綻した時、預金保険制度によって払い戻しが保証されているのは預金のうちのどれだけか。【解説】□解説ビデオクリップリスク(risk)とは「ある事象の変動に関する不確実性」で、金融においては極めて重要な概念である。(1)信用リスク投資先や貸出先の経営悪化などにより資金の一部または全部が回収できなくなるリスクをいう。デフォルトリスク(債務不履行の危険性)とも言う。(2)市場リスク株式市場や為替市場の動きによって損失を被るリスクをいう。金利リスク、為替リスク、価格変動リスクなどがある。(3)流動性リスク資産の運用と調達との期間の不一致などにより、資金調達が不可能になったり膨大なコストがかかはたんったりするリスクである。資金調達が不可能であった場合には破綻の可能性もある。保険(insurance)は事故が起こった時に、損害を埋め合わせる制度である。預金保険制度とは預金者を保護するための制度であり、銀行や信用金庫などが破綻した場合でも、預金者一人につき1,000万円までの元本とその利息分の払い戻しを保証するものである。ただし、外貨預金など預金保険対象外の金融商品は保護されない。逆に、当座預金など利息のつかない一部の預金に関しては全額保護される。保護の範囲を超えている部分は破綻した金融機関の資産を清算して支払われるため、一部目減りする可能性はあるものの全く払い戻しされないわけではない。民営化前の郵便貯金に関しては通常貯金と定期性貯金とで扱いが異なる。前者はゆうちょ銀行に引き継がれて預金保険制度による保護へと変わったのに対し、後者は独立行政法人郵便貯金・簡易保険管理機構に引き継がれて満期まで政府保証により全額保護されている。なお、農協、漁協などへの貯金は預金保険制度ではなく「農水産業協同組合貯金保険制度」という同様の制度によって保護されている。預金保護としてのペイオフが日本で初めて発動されたのは、2010年9月に日本振興銀行が経営破綻した時である。【関連問題】年月日1.預金の中には預金保険制度による保護の内容が普通預金とは異なるものがあるが、それは何か。2.日本で初めてペイオフが発動されたのはいつか。