経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 155/308

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基礎知識300国際経済# 148自由貿易の利益:輸入規制/国際経済学入門輸入関税と輸入数量割当規制はどのような点で異なるか。【解説】□解説ビデオクリップ?輸入関税と輸入数量割り当て規制は同じ資源配分をもたらす関....

基礎知識300国際経済# 148自由貿易の利益:輸入規制/国際経済学入門輸入関税と輸入数量割当規制はどのような点で異なるか。【解説】□解説ビデオクリップ?輸入関税と輸入数量割り当て規制は同じ資源配分をもたらす関税が課税を通じて国産品と輸入品の双方の国内販売価格を上昇させるのに対し、数量規制は国内の販売価格には影響を及ぼさないのではないか、と早合点することは誤りである。数量が規制された分だけ希少性が増す輸入品に対して、国産品は割安感があるので需要が増加する。結果として国産品の価格上昇と輸入品の価格下落は双方がちょうど同じ高さになるまで続き、結局どちらも一様に国内販売価格が上昇することになる。したがって、関税でも数量規制でも国内生産量、輸入量、消費量など同じ資源配分をもたらすことになる。このことは「輸入関税と輸入数量割当の同値命題」として古くから知られることである。?関税収入vs.割当レント関税の場合、政府は輸入品から以下のような関税収入を得る。(関税は一般財源である)関税収入???国内販売価格???国際価格?? ? ?輸入量?.しかし、数量割当の場合には政府に関税収入のような収入は入ってこない。しかし、以下で示すような関税収入に相当する金額(割当レントという)が政府ではなく、輸入業者の利潤として発生する。割当レント???国内販売価格???国際価格?? ? ?輸入量?.別の言葉で説明すれば、国際価格で調達した輸入品を割高な国内販売価格で売却することから得る利潤またはマージン収入にあたるものである。?レント・シーキング活動割当レントを得られるかどうかは、政府から輸入許可枠を受けることができるかにかかっているため、輸入業者のなかには、許可枠の獲得のために目に見えない非効率なコストをかける活動(レント・シーキング活動)に従事するものもある。GATT/WTOでは数量規制は原則禁止され、あらゆる数量規制を関税化することが義務付けられている。【関連問題】年月日(1)輸入数量制限の場合、輸入業者が得る利潤のことを何と呼ぶか。(2)上の問の利潤を得るために、輸入業者は政府に対して、本来の営業活動とは別に非効率な活動にコストを払うことがあるが、このような活動を何と呼ぶか。(3)輸入関税と輸入数量割当のうち、WTOが原則禁止しているものはどちらか。(4)輸入業者のなかには独立行政法人が多い.例えば、チーズの輸入業者はどこか調べてみよ。