経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 156/308

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基礎知識300国際経済# 149自由貿易の利益:国内産業保護政策/国際経済学入門やむを得ず国内産業を保護する場合に、政策から発生する損失を最小限に抑える政策はどのようなものか。【解説】□解説ビデオクリップ輸入関....

基礎知識300国際経済# 149自由貿易の利益:国内産業保護政策/国際経済学入門やむを得ず国内産業を保護する場合に、政策から発生する損失を最小限に抑える政策はどのようなものか。【解説】□解説ビデオクリップ輸入関税と数量規制は、どちらかといえば外国のライバル企業に課税という余分な費用を与えるか、強制的にマーケットシェアを奪うという排他的な政策である。しかし、特定の産業の規模をできるだけ維持・拡大しようと思えば、より直接的で効果的な政策が実はある。国内企業に対する生産補助金の供与である。生産補助金の一番の利点は、消費者の直面する国内販売価格を国際価格に保ったまま、国内企業の直面する生産者価格を上昇させることができる点である。関税の時と同様に補助金供与は政府にとっては政府支出になるので、以下のような補助金支出額が必要になる。補助金支出額??単位当たり補助金額???国内生産量?.経済厚生に与える利益と損失という観点から、国内産業の保護政策(輸入関税、輸入数量規制、生産補助金)を比較すると、以下の表のようになる。表国内産業保護政策の比較国内販売価格国内企業利潤消費量政府支出備考輸入関税上昇増加減少関税収入(+)輸入数量割当上昇増加減少割当レント生産補助金不変増加不変補助金支出(-)いずれの政策も、自由貿易と比べれば損失(-)となるがそのために支払う機会費用(ツケ)が一番小さくて済むのは、生産補助金の供与である。この事実はコロンビア大学のバグワティ(J. Bhagwati)による政策割当定理として広く知られている。「非経済的な目的のために発生する損失を最も小さくするには、目的に対して最も直接的な金銭的インセンティブ供与が望ましい」【関連問題】年月日ある小国がある農産物を国際市場から1単位あたり16ドルで輸入しているとしよう。この小国の当該農産物に対する需要曲線は、数量をQ,価格をPとして、Q=400-10Pと表される。もともと小国にはこの農産物を生産する農家がおり、彼らは限界費用MC=10+(Q/5)で競争的に生産している。この時、この小国政府が国内生産量の目標として、年間60単位を定めたとしよう。ここで政府がとりうる政策手段を以下の(ア)から(エ)のうちから3つ選び、経済厚生の損失が小さい順に並べ替えよ。(ア)輸入関税(イ)輸入数量割当(ウ)生産補助金(エ)消費税