経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 160/308

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基礎知識300国際経済# 153ニクソンショック/国際経済学入門固定相場制から変動相場制に移り変わる過程にどのような背景があったか。【解説】□解説ビデオクリップ固定相場制はブレトンウッズ体制期に採用されてきた....

基礎知識300国際経済# 153ニクソンショック/国際経済学入門固定相場制から変動相場制に移り変わる過程にどのような背景があったか。【解説】□解説ビデオクリップ固定相場制はブレトンウッズ体制期に採用されてきた通貨制度である。各国の通貨をドルに対して固定することが可能であったのは、金とドルを常に1オンス?35ドルという一定の交換比率で兌換できることが前提となっていたからである。第2次世界大戦終戦当時、世界最大の金保有国であった米国がその信用力の高さから基軸通貨に採用された背景がある。しかし、米国の金保有量は1960年代に入って減少の一途をたどった。その原因のひとつとして考えられるのが、ベトナム戦争の長期化である。1958年アイゼンハワー大統領(当時)が南ベトナムに軍事顧問や軍事物資を送るが、その後1965年ジョンソン大統領(当時)は米国軍兵士の追加派兵を決定。さらにその後を引き継いだニクソン大統領(当時)の在任時である1969年には、ピーク時には54万人の米国軍兵士がベトナムに駐留することとなる。予想外に長期化した戦争によって軍事支出が増加し、財政赤字を毎年計上することになった米国政府は、金の保有量を超えるドルを発行することになったのである。だかん結局、1971年8月にニクソン大統領(当時)は金とドルの兌換を停止することを全世界に発表した。(当時の大統領演説の動画がIMFのWebサイト、スピーチ原稿はEuropean Navigator(ENA)のアーカイヴにある。)このニュースは後にニクソンショックとして呼ばれ、世界中を駆け巡り、これまでの基軸通貨としてのドルの価値や信用力を失い、ドル相場は大暴落した。その後1971年12月のスミソニアン蔵相会議などを経て、1973年3月以降、各国は順次固定相場制を放棄して、変動相場制へと移行して行ったのである。? #082為替データのグラフ【関連問題】年月日戦後の通貨制度に関わる出来事を古い順に並べなさい。(第11回経済学検定試験、2006年12月)(ア)欧州統一通貨ユーロの導入(イ)日本が変動相場制に移行(ウ)プラザホテルで開催されたG5でドル高是正の合意(エ)ニクソン大統領(当時)がドルと金の兌換を停止すると発表