経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 162/308
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基礎知識300国際経済# 155金利と為替レート/国際経済学入門米国の連邦準備制度議会(FRB)が追加金融緩和を発表すると円相場が円高になるのはなぜか。【解説】□解説ビデオクリップ為替レートの変動(長期と区別して中....
基礎知識300国際経済# 155金利と為替レート/国際経済学入門米国の連邦準備制度議会(FRB)が追加金融緩和を発表すると円相場が円高になるのはなぜか。【解説】□解説ビデオクリップ為替レートの変動(長期と区別して中期と呼ばれる)は金利差によって説明することができる。前提とする考え方は裁定(arbitrage)である。仮に円金利とドル金利に差があり、①円資産で運用するよりも、②一旦ドルに換えてドル資産として運用し、将来円に戻すほうが、運用益が見込まれるとしてみよう。このような場合には、投資家は相対的に有利な資産運用の機会を常に求めて行動するので、②を必ず選ぶ。しかし、結果として現時点において為替相場が円安ドル高に変化して円資産で運用する場合の成果と②を選ぶ場合の円建ての成果が等しくなる。言い換えれば、金利差による利益を相殺するように為替相場が瞬時に変化する。(1)金利変化が起こった場合にはその時点で為替相場が瞬時に変化する。現時点の円相場を1ドル???とすれば、円相場の変化は将来の米日間の金利差のみに依存する。例えば、突然FRBが金融緩和でドル金利を低下させたとすると、その時点で将来の予測が修正されるので即座に織り込まれて円高ドル安に変動する。逆に日本が金融緩和した時にはその瞬間に円安ドル高に変動する。(2)金利変化の持つ効果は将来の為替相場の変化率に対しては逆の方向に働くことがある。?? ? 1期に向けた円相場の変化率????期の円金利????期のドル金利?.仮にFRBによる金融緩和で日米の金利が逆転してしまったとすると、その瞬間には大きく円高ドル安に振れるが、将来に向かっての変化は逆に円安ドル安方向に推移することを意味する。上記で述べたような、金利変化に対する(1)と(2)の変化が逆方向になる点が一見するとわかりづらいが、ドーンブッシュ(R. Dornbusch)が明らかにした為替レートのオーバーシューティングという現象に等しい。金利変化により為替レートは一旦かなり大きく変動するが、その後は長期的な水準(PPP)に向かってしゅうれん収斂していく。? #126米国の中央銀行制度【関連問題】年月日当初は円金利もドル金利も0.5%で、円相場は1ドル=80円であったとしよう。ここで突然FRBが金利を3%まで利上げすると発表したとする。1年後にはPPPが成立しており、その円相場水準は1ドル?88円であるとすれば、現在の円相場はおよそいくつになるか。(1)現在の円相場は約70円(2)現在の円相場は約72円(3)現在の円相場は約88円(4)現在の円相場は約90円