経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 166/308

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基礎知識300# 159資本収支国際経済/国際経済学入門資本収支の赤字・黒字は何を意味するのか。【解説】□解説ビデオクリップ#158国際収支の解説にもあったとおり、資本収支は中央銀行を除く民間による対外資産・負債....

基礎知識300# 159資本収支国際経済/国際経済学入門資本収支の赤字・黒字は何を意味するのか。【解説】□解説ビデオクリップ#158国際収支の解説にもあったとおり、資本収支は中央銀行を除く民間による対外資産・負債に関する取引を計上したもので、大きく分ければ投資収支とその他資本収支から構成される。ここでは、実際の日本の資本収支額を例にとって、資本収支の赤字・黒字が何を意味するかを考える。? 2007年の日本の資本収支の値は225,383億円と赤字であった。対外資産・負債に関する取引を表すので、日本は2007年において、日本の居住者による海外の資産(株式、債券、その他金融派生商品(通貨スワップやオプションなど))の購入が、外国の非居住者による日本の資産取得に比べて大幅に上回っていたことをあらわす。別の言い方をすれば、日本全体で見ると、海外に対して大きな資産(貸付)を持つことを意味する。資本収支は常に赤字であるという訳ではない。例えば、2011年には資本収支が59,975億円の黒字になっているほか、2003年には、日本の経常収支は157,668億円の黒字に対して、資本収支は77,341億円の黒字、外貨準備増減は215,288億円となっている。? 2003年の日本の資本収支の値は77,341億円の黒字であった。対外資産・負債に関する取引を表すので、日本は2003年には、日本の居住者による海外の資産の購入よりも、外国の非居住者による日本の資産取得の方が大幅に上回っていたことをあらわす。別の言い方をすれば、日本全体で見ると、海外に対して大きな負債(借り入れ)を持ったことを意味する。これだけの大きな資本収支の黒字をもたらす原因としては、外資ないしは多国籍企業による日本企業の買収が挙げられる。通常、企業の買収(M&A)は企業の株式の買い付けという形式を取るので、非居住者である外国企業が日本企業の株式を大量に購入することがあれば、資本収支の大きな黒字化要因となる。【関連問題】年月日資本収支が黒字となった2003年や2011年の日本には、外貨準備の大幅な増加が見られる。経常収支、円安と円高、為替介入の3つをキーワードとして、関連を調べなさい。参考サイト:財務省「国際収支推移」URL:http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/bpnet.htm財務省「外国為替平衡操作」URL: http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/feio/data.htm