経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 179/308

電子ブックを開く

このページは 経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 の電子ブックに掲載されている179ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
基礎知識300財政# 172費用・便益分析/財政学入門政府が公共事業を実施するときの費用・便益分析について説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ費用・便益分析とは、政府自らが、道路やダムなどの公共事業を実施す....

基礎知識300財政# 172費用・便益分析/財政学入門政府が公共事業を実施するときの費用・便益分析について説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ費用・便益分析とは、政府自らが、道路やダムなどの公共事業を実施するにあたり、建設に要する費用(cost)や得られる便益(benefit)を計算し、供給の是非や望ましい供給水準を事前に検討するための枠組みのことを指す。最も単純な方法については、将来にわたる社会的便益の現在価値をBとし,費用をCとした場合、「B> C (またはB/C > 1 )」ならばプロジェクトを実行してよいと判断する。また、複数の計画からひとつを選択する場合は、最も高いB/Cではなく、最も高い「便益-費用(B-C)」をもつ計画を選択すべきとなる。日本でも、公共事業の実施の際には費用便益分析が義務付けられている。ただし、以下の問題が挙げられる。まず、将来発生するであろう便益を、現在の価値に直す場合に用いられる社会割引率は4%であるが、これは欧米諸国と比較すると低い水準である。このため、現在価値が過大に出やすいとの指摘がなされている。また、道路建設で利用者便益を計測する際には交通量を予測することになるが、この交通量の予測に恣意しい的な要素が入りやすいため、結果として便益が過大に見積もられているとの疑念を生んでいる。【関連問題】年月日1.身近にある公共財でほとんど使われていないものを想起し、実際に利用状況を調査せよ。