経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 193/308

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基礎知識300政治と財政の仕組み# 186社会保障と税の一体改革案/財政学野田佳彦内閣の「社会保障と税の一体改革案」について説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ野田佳彦内閣は、消費税増税を柱とする「社会保障....

基礎知識300政治と財政の仕組み# 186社会保障と税の一体改革案/財政学野田佳彦内閣の「社会保障と税の一体改革案」について説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ野田佳彦内閣は、消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革大綱」を2012年2月に閣議決定して、2012年の通常国会で消費増税法案の成立を目指している。現行の5%の消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げるというもので、増税前の衆議院定数80削減なども盛り込んでいる。野田内閣が2012年度通常国会に提案することを予定している社会保障と税の一体改革案では、現行の年金制度を前提に、基礎年金の国庫負担率を従来の3分の1から2分の1に高めるための財源や、人口高齢化に伴って、毎年1兆円ずつ増加していく社会保障財源を賄うための財源を消費増税に求めるものである。年金については、現役世代が高齢者を支える形がかつての5人の現役世代で1人の高齢者を支えていたのが、現在は3人で1人の高齢者を支える形となり、さらに2050年頃には1人が1人を支える社会になるとして、持続可能な社会保障の構築のためには消費税増税はどうしても必要であるとしている。年金財政では、2009年度から基礎年金の国庫負担率を従来の3分の1から2分の1に引き上げたが、その財源として2009年度と2010年度は、財政投融資特別会計の積立金を流用するなどの臨時財源で賄ったが、2011年度は国庫負担50%を維持するために必要な2兆5,000億円の財源を手当てできずに、国庫負担率を36.5%に引き下げて基礎年金財源の不足分を年金特別会計の積立金の取り崩しで補充し、2012年度以降行う消費税の引き上げによる増収分で返済するとしている。野田政権と財務省は、消費税率の引き上げによって、この基礎年金の国庫負担を再び50%に戻すことを予定している。民主党政権はさらに、2013年度通常国会において、すべての国民に月額7万円の最低保障年金を給付することや、現在国民年金、厚生年金、共済年金と大きく3つの異なった年金制度が並立しているのを一つの年金制度に統合する年金制度の一元化を盛り込んだ抜本的な社会保障制度の改革を目指している。しかし最低保障年金の導入は現行制度に比べて、消費税率換算で新たに7.1%の税率の引き上げが必要になるとの試算も民主党内で出されており、これに対する抵抗も大きいものと予想され、社会保障制度の抜本的改革が実現するめどは立っていない。民主党は消費税率の10%への引き上げについては、自由民主党が2010年の参院選で公約に掲げたこともあり、自民党などの野党と政策協議を呼びかけている。【関連問題】年月日1.野田佳彦が政治家になる前、所属した松下政経塾の創立者は誰か。