経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 208/308
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基礎知識300政治と財政の仕組み# 201国と地方の税収と歳出との関係/財政学入門国と地方の税収と歳出との関係を説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ国税と地方税の配分比率は、国が60%で地方が40%となる。しかし....
基礎知識300政治と財政の仕組み# 201国と地方の税収と歳出との関係/財政学入門国と地方の税収と歳出との関係を説明せよ。【解説】□解説ビデオクリップ国税と地方税の配分比率は、国が60%で地方が40%となる。しかしながら、これが地方交付税交付金と国庫支出金を配分された後では、その比率は国40%、地方60%と、配分前と比較すると逆転してしまう。ここで、日本の政府活動の約6割は、地方政府が担っている。すると、政府の経済活動の大半を担っていた地方政府の財源は、すべて独自の財源ではないことが分かる。このとき、中央政府から地方政府への財政移転として主に用いられるのが、使途を特定しない一般補助金である地方交付税交付金と、特定補助金である国庫支出金である。使途の定めのない補助金を一般補助金と呼び、日本の制度では地方交付税交付金がこれに当たる。地方交付税交付金に期待される機能には、以下の3つの機能がある。①②③国と地方の財源配分機能財源保障機能財政調整機能最初の国と地方の財源配分機能とは、国と地方との間に存在する歳出割合と税収割合の格差を是正する機能である。②の財源保障機能とは、全国民に保障されるべき最低限度の公共サービス供給に必要な財源を、すべての地方自治体に保障しようとする機能である。最後に、財政調整機能とは、地方自治体間の水平的な財政格差を是正し、平準化する機能である。使途に定めのおかれた補助金を特定補助金と呼び、日本の制度では、国庫支出金がこれにあたる。国庫支出金は地方財政法において、国庫負担金、委託金、奨励的・財政援助的補助金の3つに分類される。国庫支出金の大きな問題点としては、補助条件が細部にわたって定められていることなどにより、国庫支出金を通じた国による関与が、地方自治体の創意工夫や自主的な行財政運営を阻害しがちであることが挙げられる。このこともあってか、1980年代以降、国庫支出金の見直しが提案され、その縮減および補助・負担率の引き下げが試みられてきた。【関連問題】年月日1.地方交付税交付金の特徴について説明せよ。2.国庫支出金の特徴について説明せよ。