経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

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基礎知識300マクロ経済学# 14均衡所得の決定(閉鎖経済)3/マクロ経済学当初、ある国の需要は、消費:C=0.5Y+30、投資:I=30、政府支出:G=25(いずれも単位は兆円)であったとする。他には変化がなく、投資が6兆円減少した....

基礎知識300マクロ経済学# 14均衡所得の決定(閉鎖経済)3/マクロ経済学当初、ある国の需要は、消費:C=0.5Y+30、投資:I=30、政府支出:G=25(いずれも単位は兆円)であったとする。他には変化がなく、投資が6兆円減少したとする。この時、均衡所得はいくら減少するか。【解説】□解説ビデオクリップ所得の減少額=(乗数)×(需要項目の減少額)で表される。この問題における乗数の値は、‐111=限界消費性向1- 0. 5= 1=20. 5である。よって、所得の減少額=(乗数)×(需要項目の減少額)=2×6=12兆円である。乗数を用いると、初期需要の増加だけではなく、減少した時の効果も知ることができる。初期需要の減少は所得の減少を招き、それが更なる消費需要の減少を引き起こす。その消費需要の減少は、更なる所得の減少を招き、これがまた更なる消費需要の減少を引き起こす。このように、初期需要の増加と方向は反対であるが、負の効果が累積していくのである。したがって、初期需要の減少分に乗数を掛けることによって、均衡所得への影響を知ることができるのである。乗数が分かると、経済ショックの影響や政府の経済政策の効果を具体的な金額で予想することができる。例えば、政府が景気対策として1兆円の公共投資を増やしたとする。その場合、初期需要増加分1兆円の乗数倍だけ所得が増加すると予想することができる。このように、定量的な効果を知るために大切なのが、乗数なのである。上の例で考えると、乗数が分からない場合、政府による公共投資の増加が景気を浮揚させることを予想することができても(定性的な予想)、それが具体的にどれくらいの効果を生むかが分からない。そうなると、公共投資を増加させる政策の是非を判断する上で大切な情報が得られないのである。【関連問題】年月日1.当初、ある国の需要は、消費:C=0.5Y+A、投資:I、政府支出:Gであったとする(A:独立的消費)。他には変化がなく、政府支出が3兆円増加したとする。この時、均衡所得はいくら増加するか。2.当初、ある国において、独立的消費:A=14兆円、限界消費性向:C=0.9、投資:I=13兆円、政府支出:G=26兆円であったとする。他には変化がなく、政府支出が26兆円から33兆円に増加した。この時、均衡所得はいくら増加するか。