経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 227/308
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基礎知識300法と社会# 220制限行為能力者/民法19歳のAは、親に内緒で15万円の化粧品を購入した。購入契約時、Aは契約書に「20歳」と記入していた。Aは、この契約を取り消すことはできるか。【解説】□解説ビデオクリ....
基礎知識300法と社会# 220制限行為能力者/民法19歳のAは、親に内緒で15万円の化粧品を購入した。購入契約時、Aは契約書に「20歳」と記入していた。Aは、この契約を取り消すことはできるか。【解説】□解説ビデオクリップこの契約は、「未成年者契約」である。未成年者は行為能力が制限されており、親の同意なしに契約した場合には、契約を取消すことができる(民法5条1項)。また、成人であっても判断力が低下している者には「成年後見制度」という、行為能力を制限する制度がある(民法7条~19条)。この制度を利用すると、本人の判断力の程度に合わせて、成年後見人、保佐人、あるいは補助人が付され、本人の行為を補うなど,本人の能力を補う働きをする。この場合にも、未成年者同様、一定の行為について本人が単独でなした行為は、取り消すことができる(民法9条、13条、17条)。しかし、しかし、制限行為能力者が詐術を用いて契約をした場合には、その契約は取り消すことができなくなる(民法21条)。この規定は、制限行為能力者の相手方を保護するための規定である。本問のように、A自身が「20歳」と虚偽の記述をした場合、21条の適用はなく、Aはこの契約を取り消すことができない。また、制限能力者の場合には、契約を取消した後の原状回復については、「現に利益を受ける限度」で返還義務を負う。したがって、制限行為能力者は、購入した品物が壊れたとしても、壊れたものをそのまま相手方に返せば、契約を取消すことができることとなる。【関連問題】年月日1. 19歳のAは、親に内緒で業者Bより中古車を購入した。その3ヶ月後親の知るところとなり、契約を取消そうと思ったが、車が壊れてしまった。この場合、Aは契約を取り消すことができるか。