経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 245/308
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基礎知識300現代経済の諸問題# 238社会保障の歴史/社会保障論世界で最初に「社会保障」という名のついた法律を制定したのはどこの国か。【解説】□解説ビデオクリップ社会保障とは、「国家の責任においてすべての国....
基礎知識300現代経済の諸問題# 238社会保障の歴史/社会保障論世界で最初に「社会保障」という名のついた法律を制定したのはどこの国か。【解説】□解説ビデオクリップ社会保障とは、「国家の責任においてすべての国民に最低限の生活の保障をめざすもの」であり、その制度は、おもに「社会保険」と「公的扶助」によって構成されている。社会保険は、1880年代のドイツで最初に導入された制度であり、近代における公的扶助の起源は、イギリスの「救貧法」の発展にさかのぼることができる。しかし、この「社会保障」という用語が使用された法律を最初に制定したのはアメリカであり、それは1935年のことであった。1929年にアメリカ株式市場の大暴落をきっかけに起こった「大恐慌」は、当時の先進諸国や世界経済を大きな同時不況に陥れたが、アメリカのうけた打撃はもっとも大きく、失業率は30%を超え、生活困窮者が急増した。そこで、1933年に大統領に就任したF.ルーズベルトは、そうした経済・社会問題に対処するためにニュー・ディール政策に着手し、生活に大きな不安をかかえた国民に対してさまざまな生活安定化策を打ち出した。その一環として、さらにそのひとつの集大成として検討され、制定されたのが1935年のいわゆる「社会保障法(social security act)」である。もともと、こうした面で遅れていたアメリカで制定された、この世界最初の社会保障法の内容は、イギリスやドイツに比べるとそれほど目新しいものはなく、「名前だけ」という側面が強かった。そして、その後も、アメリカは社会保障に消極的な態度をとり続けたのである。このことは、社会保障の歴史にとって皮肉な展開かもしれない。しかし、社会保障は、その後、その名称のもつ魅力もあり、世界的に普及した。? #166福祉国家【関連問題】年月日1.ニューディール政策を実施した大統領は誰か。