経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 246/308

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基礎知識300現代経済の諸問題# 239社会保障の範囲/社会保障論ILOによる1952年の「社会保障の最低基準に関する条約」(102号条約)において規定された9部門に入っていないのはどれか。(1)火災(2)障害(3)母性(4)失業(5)....

基礎知識300現代経済の諸問題# 239社会保障の範囲/社会保障論ILOによる1952年の「社会保障の最低基準に関する条約」(102号条約)において規定された9部門に入っていないのはどれか。(1)火災(2)障害(3)母性(4)失業(5)老齢【解説】□解説ビデオクリップ解答の選択肢が、①障害給付、②母性給付、③老齢給付、④火災給付、⑤失業給付の5つだとすると、正答は火災給付である。火災も、私たちの生活にとって重大なこと故であるが、それは、民間保険である「火災保険」でカバーされており、社会保障が対象とする範囲には入っていない。問題の選択肢が、①医療、②傷病給付、③介護給付、④遺族給付、⑤家族給付、という5つの場合、正答は介護給付である。介護給付の対象となる「要介護状態」は、今日では社会保障の対象であり、しかも重要な分野になっているが、やっと社会保障の体系が確立しつつあった当時は、まだその最低基準には入っていなかった。1942年にベヴァリッジ報告に先立って『社会保障への途』を発表し、労働生活を安定化させるために社会保障の普及と発展に寄与したILO(国際労働機関)は、1952年に「社会保障の最低基準に関する条約」(102号条約)を採択した。そこでは、①医療、②傷病給付、③失業給付、④老齢給付、⑤業務災害給付、⑥家族給付、⑦母性給付、⑧障害給付、⑨遺族給付の9部門にわたって給付の対象者、範囲、内容および要件について最低条件が規定されたのであり、この国際基準が、その後の社会保障の世界的発展にきわめて大きな役割を果たした。つまり、この最低基準をクリアすることが、社会保障を定着させた福祉国家の仲間入りができたことを意味したのである。ちなみに、日本は、1972年に児童手当制度が導入されたことでやっとこの最低基準をクリアできた。【関連問題】年月日