経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 252/308
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基礎知識300# 245労働時間現代経済の諸問題/社会保障論わが国で、週40時間労働制が制度的に定着したのはいつごろか。(1)1990年代後半(2)1970年代後半(3)1980年代前半(4)1980年代後半(5)1990年代前半【解説】□解説ビ....
基礎知識300# 245労働時間現代経済の諸問題/社会保障論わが国で、週40時間労働制が制度的に定着したのはいつごろか。(1)1990年代後半(2)1970年代後半(3)1980年代前半(4)1980年代後半(5)1990年代前半【解説】□解説ビデオクリップ解答の選択肢が、①1970年代後半、②1980年代前半、③1980年代後半、④1990年代前半、⑤1990年代後半の場合、正答は1990年代後半である。わが国では、1980年代末から、週48労働時間が段階的に引き下げられ、週40時間労働制が制度化されたのは1997年のことであった。よく知られているように、戦後のわが国では、しだいに労働者保護が進み、労働時間制が確立されていったが、その一方で、日本人は、高度経済成長を謳歌するように一生懸命に長時間にわたって働いた。しかし、1970年代後半以降、「経済大国から生活大国へ」という大きな方向転換が始まり、しかも、貿易摩擦を引き起こす要因として「日本人の働きすぎ」に対して欧米諸国からの批判が相次ぎ、国内では「過労死」が社会問題化し、さらに豊かさの指標として「ゆとりある」生活に目を向けられるようになるなかで、しだいに労働時間の短縮が叫ばれるようになった。こうした動きをうけて、政府は、1988年に、将来、一人当たりの年間労働時間を1,800時間程度とする政策目標を定め、これを推進するために、1992年には「労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法」(時短促進法)が5年間の時限立法として施行され、その5年後の1997年に、「週40時間労働制」が制度化されたのである。また、1994年には労働基準法が改正され、法定労働時間が従来の原則週48時間から原則週40時間に短縮された。もちろん、西欧の労働時間短縮が進んだ国に比べると、わが国の実際の労働時間はまだまだ長いが、制度的には欧米諸国の標準に近づいたのである。【関連問題】年月日