経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 254/308
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基礎知識300# 247労働市場現代経済の諸問題マクロ経済学/労働経済学現実の失業を観察すると、短期的な景気循環により変動する循環的失業だけではなく、経済が通常の状態でも一定水準の失業が存在するという。このよ....
基礎知識300# 247労働市場現代経済の諸問題マクロ経済学/労働経済学現実の失業を観察すると、短期的な景気循環により変動する循環的失業だけではなく、経済が通常の状態でも一定水準の失業が存在するという。このような失業を何というか。【解説】□解説ビデオクリップよく知られる失業の発生要因は、景気が悪化して需要不足の発生により物が売れなくなることによる雇用の減少である。このような短期的な景気循環により発生する失業は「循環的失業」と言われる。一方、景気変動とは関係なく経済が通常の状態でも失業は発生する。そのような失業は「自然失業(率)」と言われる。自然失業が発生する要因としては、(1)労働者が職種・場所・技術等の適合する職を探すのに時間がかかり、求人企業とうまくマッチできないことから発生する摩擦的失業(frictional unemployment)。(2)労働市場の構造特有の問題として、賃金がうまく調整されず求人数が求職者数を下回ることにより発生する構造的失業(structural unemployment)、があげられる。以上にあげた失業はすべて、労働者が働きたくても働けず仕方がなく失業しているという意味で非自発的失業(involuntary unemployment)と分類される。一方、失業率のデータには含まれないが、何らかの理由で職探しをあきらめてしまう意欲喪失労働者等の自発的失業も少なからず存在する点に注意が必要である。グラフ日本における完全失業率の推移(1970年~2011年)【関連問題】年月日1.上のグラフで2008年後半から失業率が急上昇している原因は何か。2.自然失業が発生する要因を2つ挙げよ。