経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 255/308
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基礎知識300現代経済の諸問題# 248コモンズの悲劇(資源経済)環境経済学/資源経済学「コモンズの悲劇」とは何か。【解説】□解説ビデオクリップ「共有地(コモンズ)の悲劇」は、アメリカの生物学者ギャレット・ハーデ....
基礎知識300現代経済の諸問題# 248コモンズの悲劇(資源経済)環境経済学/資源経済学「コモンズの悲劇」とは何か。【解説】□解説ビデオクリップ「共有地(コモンズ)の悲劇」は、アメリカの生物学者ギャレット・ハーディン(アメリカ、1915~)が著した考え方で、自己中心的な行為が、自分を含めた関係する全ての者を悲劇に導くというもの。それは次のように語られる。共同牧草地(共有地、コモンズ)を利用する個々の牧畜家はより多くの利益を求めている。そこで、互いが他の牧畜家より一頭でも多くの家畜をこの共有地に放牧しようとする。しかし、それが過剰放牧につながると、共有地の牧草は不足し、家畜はやせ細る。結果的にすべての牧畜家は共倒れになり、「悲劇」を迎える。これは、資源に絡む経済行為について雄弁な教訓を示している。個々の経済主体が自己の短期的なげんもう利潤獲得を目指すと、乱獲や過剰採取が行われ、地球大の資源の減耗を早めてしまう。そのため、地球規模の資源管理や人口抑制策、排出物規制策が必要になるのである。いりあい入会権、温泉権、漁業権、水利権など。入会権は、集落の住民が慣行として集落が総有する山林原野から収益(伐木、採草、キノコ狩り)を得る権利。温泉権は、住民たちの温泉利用に関する泉源・引湯路に関する権利。漁業権は、特定の水面において特定の漁業を営むことができる権利。水利権は、河川や湖沼の水などを排他的に取水利用できる権利。法的には漁業権や水利権は漁業法、河川法が定める公法上の権利であるため、慣習上の入会権や温泉権とは性格が異なるとされる。参考文献:Garret Hardin 1968 "The Tragedy of the Commons." In Science 162, pp.1243-1248【関連問題】年月日1.コモンズの悲劇を顕在化させないために、日本では、慣習的に公共財の利用を特定の人間や集団に限定し、他者の利用を排除する制度や法律がある。具体的にはどのようなものか。