経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 257/308

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基礎知識300現代経済の諸問題# 250商品としてのエネルギー/資源経済学競争的なエネルギー市場では、エネルギーの価格は乱高下し易い。商品としてのエネルギーの特性を踏まえて、その理由を述べなさい。【解説】□解....

基礎知識300現代経済の諸問題# 250商品としてのエネルギー/資源経済学競争的なエネルギー市場では、エネルギーの価格は乱高下し易い。商品としてのエネルギーの特性を踏まえて、その理由を述べなさい。【解説】□解説ビデオクリップ商品としてのエネルギーの特性は、需要も供給も価格弾力性が極めて小さい。そのため、需給の多少の変動(例えば、需要側では気温の変化、供給側では事故や戦争・ストライキによる生産の減少)でも、価格は著しく変化することである。需要の価格弾力性が小さい理由は、エネルギーが①「必需品」であること、②代替財が少ないこと、③エネルギー需要は派生需要であること(本来の目的を実現するために、否応なく生じる需要であること)、などである。エネルギーは経済活動や社会生活に不可欠な財(必需品)である。そのため、価格が多少高くなっても消費は容易に減らせないし、安いからと言って消費を増やすようなものでもない。また、代替財をみつけようにも、代替エネルギーを利用するためにはエネルギー消費機器を買い替えねばならず、短期的にエネルギー源を変えることは不可能に近い。さらに、派生的な需要であるがために、テレビ番組をみたい欲求のある人間に、電気代が高いからと言って、番組視聴を抑制させることは困難である。一方、供給の価格弾力性が低い理由は、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)に見られるようにエネルギー供給は自然を相手にした大規模投資を前提とした設備産業であるためだ。探査・開発には巨額な資金が必要で、なおかつ生産までにリードタイムが長い。そのため、価格が高騰しているからといって、生産量を増やすためには巨額の投資と相当の時間が必要である。逆に、価格が安くても、装置産業は能力一杯の生産を持続しがちである。このため、短期的な需要や供給の変動(需要曲線や供給曲線の左右のシフト)が、両者の均衡価格を大きく変動させることになる。? #036需要の価格弾力性【関連問題】年月日1.エネルギー需要の価格弾力性を高める方法として、どのようなことが考えられるか。