経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 260/308
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基礎知識300# 253企業現代経済の諸問題/現代産業論企業とは何か。会社とは何か。【解説】□解説ビデオクリップ「企業」や「会社」という言葉が、私たちの目、耳、口に触れない日はない。しかし、それが何かを正確に説明....
基礎知識300# 253企業現代経済の諸問題/現代産業論企業とは何か。会社とは何か。【解説】□解説ビデオクリップ「企業」や「会社」という言葉が、私たちの目、耳、口に触れない日はない。しかし、それが何かを正確に説明できる人は、多くないと思われる。企業といえば、すぐに会社が浮かんでくるが、それも株式会社をイメージすることが多い。企業は、個人企業・共同企業(八百屋やラーメン屋など)と法人企業(=会社)に大別される。大半を占める法人企業すなわち会社は、株式会社、有限会社、合名会社、合資会社に分かれるが、株式会社が圧倒的な比重を占めている。それでは、企業とは何か。巨視的にみると「商品貨幣経済体制の下で、生産手段の所有と労働の分離を前提として、営利を目的として追求する商品生産の経済単位」のことである。経営視点からは、「生産・営利の目的で、生産要素を総合し、継続的に事業を経営すること。また、その経営主体」と捉えることができる。私たちは、会社訪問など「会社」という言葉をよく口にする。会社とは何か。会社とは、「法人企業」のことである。そうなると、「法人」とは何かもみておかねばならない。法人とは、「本来ヒトでないのに、法律上ヒトとして扱われるモノ」である。法人は、ヒトとモノの二面性を持っている。法人は、契約関係を簡素化するために導入された法律上の仕組みであるが、ヒトとモノを峻別する近代市民社会の前提条件を揺り動かしかねない面も内包している。法人は、社会による承認が不可欠で、「社会の公器」とみることができる。Corporate Social Responsibilityは、CSRと呼ばれ「企業の社会的責任」と訳されている。食品から金融、マスコミに至るまで、(法人)企業不祥事が内外で相次ぎ、マスコミで報道されない日はない程である。こうした不祥事をきっかけにして、企業の姿勢を問い、その対応を新たな企業評価基準にしようとする社会の動きに関心が高まっている。企業の社会的責任を求める声は、そうした流れの中から高まってきたものである。CSRに明確な定義はないが、企業は利益追求するだけでなく、自らの活動が社会に与える影響に責任を持ち、利害関係者(株主、経営者、従業員、取引先、消費者、地域住民)からの要求にも適切な対応を図るべし、との趣旨が込められている。【関連問題】年月日1.法人がもつ二面性とは何か。2.会社は、なぜ「社会の公器」といわれるのか。3.企業の社会的責任とは何か。