経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 266/308
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基礎知識300地域と経済社会# 259地域と国家の新たな関係/まちづくり論今日の日本における問題点として、中央集権体制の弊害や東京一極集中による地方の格差問題などがある。こうした課題に対して、分権型の国家づく....
基礎知識300地域と経済社会# 259地域と国家の新たな関係/まちづくり論今日の日本における問題点として、中央集権体制の弊害や東京一極集中による地方の格差問題などがある。こうした課題に対して、分権型の国家づくりを進めていくことが急務となっている。その際に、経済的・財政的に自立可能な規模で、かつ、住民が帰属意識を持てるような地理的一体感があり、歴史や文化・風土の共通点があるような一定の範囲を定め、広域行政や基礎自治体の財政格差調整などを行う仕組みを何と呼んでいるか。【解説】□解説ビデオクリップ道州制とは、中央集権型の国家から、地域主権による分権型国家に移行するために必要不可欠な制度である。その目的は、「繁栄の拠点の多極化と日本全体の活性化」「住民本位の地域づくり」「効率的・効果的行政と責任ある財政運営」となっている(「道州制ビジョン懇談会中間報告」)。制度が導入されると、東京一極集中による画一的な政策ではなく、地域の実情に応じた個性ある地域づくりが可能となり、道州ごとの独自の経済文化圏が形成されることとなる。一方、中央政府も、本来、取り組むべき国家全体を俯瞰した政策や外交、国防などに特化することで、国際社会の中での役割も明確に果たせるようになる。制度導入に際しては、地域住民や基礎自治体が主体的に考えていくことが必要であるが、その一方で、政治によるリーダーシップがないと実現は困難であろう。また、導入に際しても、導入後に予想される諸課題(格差是正等)に対応できる制度設計を行うべきである。参考文献:「道州制ビジョン懇談会中間報告」【関連問題】年月日1.道州制への移行に伴うメリットは何か。2.道州制導入に際して、どのような課題が発生すると思われるか。