経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 268/308

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基礎知識300# 261地域計画地域と経済社会/まちづくり論地域計画において、重要なプロセスは何か。【解説】□解説ビデオクリップL.マンフォード(Lewis Mumford)によれば、紙上でエレガントに描かれる地域計画を批判し....

基礎知識300# 261地域計画地域と経済社会/まちづくり論地域計画において、重要なプロセスは何か。【解説】□解説ビデオクリップL.マンフォード(Lewis Mumford)によれば、紙上でエレガントに描かれる地域計画を批判し、「本当の計画とは、現実を一方的に置き換えることではなく、それを明確化し、地理的・経済的事実を目標と調和させるために必要なすべての要素をしっかりと把握する企てである」とし、四つの段階を示している。①調査段階直接の実見調査と組織的事実収集による、地域複合体に関するすべての資料の解明を意味する。同様に、パトリック・ゲディスは、広大な視野を持って、第一の重要事として、地理的環境、風土・気候条件、経済過程、歴史的伝統を挙げている。②社会の理念や目的と関連した必要と活動の批判的概観計画は、地理学者、社会学者、技術者のみでつくりあげられるものではなく、教育者や芸術家、普通の住民の仕事も重要である。彼らが、批判家として、創造者として計画作業に主体的に参加しないかぎり、最終的に作られる計画の中に移入されるであろう価値は、過去の状況や要求から批判的検討もなしに受け継がれたものとなる。③創造力ある再建と工夫の段階事実の把握、傾向の観察、要求の推定、目標の批判的明確化という基盤をもとに、新しい地域生活像の開発が必要である。④共同体による計画の知的吸収と、適切な政治経済機関による実践計画の有機性を確保するためには、再生、柔軟性、適応は欠かせない。また、地域計画は、その構成自体の中に、未来への適応手段を用意する必要がある。そのため、地域計画は、社会教育の手段となり、小さな単位をはじめとして、作業のあらゆる段階で知的参加と理解が必要となる。最後にマンフォードは、次のように締めくくっている。「経済生活が蒙っている混乱の一部分は、われわれの機械設備がわれわれの社会的制御手段よりも、急速に発明され、改良され、そして廃棄されるという事実のためである。(中略)われわれは社会関係の変貌を助けるであろう広汎な秩序体系をこれから発明しなければならない。その象徴のひとつが地域計画そのものなのだ」。参考文献:マンフォード著生田勉訳『都市の文化』鹿島出版会,1990年(pp378-9)【関連問題】年月日1.マンフォードの著作を挙げよ。