経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 269/308

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基礎知識300# 262農山村問題地域と経済社会/まちづくり論過疎化などの要因で、人口の50%が65歳以上の高齢者になり、社会的な共同生活の維持が困難となるような集落のことを、一般的に何と呼んでいるか。【解説】□解....

基礎知識300# 262農山村問題地域と経済社会/まちづくり論過疎化などの要因で、人口の50%が65歳以上の高齢者になり、社会的な共同生活の維持が困難となるような集落のことを、一般的に何と呼んでいるか。【解説】□解説ビデオクリップ「平成18年度限界集落における集落機能の実態などに関する調査報告書(農林水産省農村振興局委託調査)」財団法人農村開発企画委員会(平成19年3月)によると、限界集落という用語については、必ずしも明確な定義が確立しているとは言えないとの前提に立ちつつ、代表的なものとして、大野晃氏による定義を紹介している。それによると、「65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落」(大野晃、2005、「限界集落-その実態が問いかけるもの」『農業と経済』2005年3月号、5頁、昭和堂)である。限界集落の実態は、定量的に把握しにくいが、例えば、総務省自治行政局地域振興課過疎対策室、2007、「過疎地域などにおける集落の状況に関するアンケート調査結果(中間報告)」によると、62,271集落の中で、「10年以内に消滅可能性のある集落422(0.7%)」、「10年以降に消滅可能性のある集落2,219(3.6%)」としている。限界集落という言葉は、人口減少局面を迎える中で、集落の実態を表す概念としての有効性はある。ただし、言葉が独り歩きすることは危険であり、とりわけ政策立案者は注意して使用することが必要であろう。【関連問題】年月日1.農山村と都市とは、相互に深く結びついている。「限界集落」や「消滅集落」の増加は、都市部において、どのような影響があると思われるか、考えてみよ。また、都市部との関係を意識した中で、限界集落の再生のための政策案を考えてみよ。