経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 273/308

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基礎知識300地域と経済社会# 266コミュニティの役割/まちづくり論アンソニー・ギデンズは、市民社会の再生における政府の役割を評価し、地域コミュニティの再生の必要性を説いた。こうした考え方の元となっている、....

基礎知識300地域と経済社会# 266コミュニティの役割/まちづくり論アンソニー・ギデンズは、市民社会の再生における政府の役割を評価し、地域コミュニティの再生の必要性を説いた。こうした考え方の元となっている、一方的な市場原理でもなく、また、旧来の大きな政府を目指す社会民主主義でもない方向を示した。それは何と呼ばれているか。【解説】□解説ビデオクリップロンドン大学政治経済学院長であるアンソニー・ギデンズ(Anthony Giddens)は、1998年に『第三の道』(The Third Way)と題する著書を発刊する。そこでは、アメリカの市場資本主義とも、旧ソ連の共産主義とも違う社会民主主義のあり方を示すことばとして、いわゆる『第三の道』を定義づけた。日本においては、小泉政権における「構造改革」において、「「官(国家)から民(市場)へ」をスローガンとする一連の改革を試みた。佐和隆光は、「構造改革における不自由、不透明、不公正な日本の市場経済を、自由、透明、公正なものに作り替えることを意味する」ものであり、その意味での必要性を認めつつ、それは「十分」ではないとする。そこでの「必要十分条件」とは、市場主義改革と『第三の道』改革を同時に遂行することにある。市場化を進めることで、自己決定権は減少する。しかし、非市場の領域を拡大するためには、自己決定権を拡大する必要がある。こうして市場を相対化する視点で活かされるのは「市民社会」であり、市民のガバナンスによる社会関係を作る必要がある。同時に、第三の道では、地域社会との関係で、以下のような点を注視している。それは、アクティブな市民社会をつくることである。そして、市民社会の再生における政府の果たし得る役割を評価し、政府と市民社会の協力関係の必要性、地域主導によるコミュニティ(生活共同体)の再生、第三セクターの活用、地域の公的領域の保全、コミュニティを基盤とする犯罪防止、民主的な家族を挙げている。参考文献:都留重人『市場にはこころがない』岩波書店,2006年ポール・サミュエルソン『市場過信の政策に懸念』日本経済新聞社,2005年佐和隆光『「改革」の条件』岩波書店,2001年【関連問題】年月日1.いわゆる小泉改革の成果と問題点を論評せよ。