経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 279/308

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基礎知識300地域と経済社会# 272堀川と物流の歴史/地域活性化研究堀川は、歴史上、貴重な物流の動脈となっていた。どのような物資が運搬されていたと思うか。2つ挙げなさい。【解説】□解説ビデオクリップ末吉順治『....

基礎知識300地域と経済社会# 272堀川と物流の歴史/地域活性化研究堀川は、歴史上、貴重な物流の動脈となっていた。どのような物資が運搬されていたと思うか。2つ挙げなさい。【解説】□解説ビデオクリップ末吉順治『堀川沿革誌』愛知県郷土資料刊行会によると、「大正十年(1921年)には、陶磁器の一大産地・瀬戸=堀川間に電車が開通し、瀬戸物を堀川から熱田湊へ運び、ここから日本各地やヨーロッパ各国へ送られるようになった」と記されている。名古屋圏には、瀬戸・美濃などの大規模な陶磁器産地を有しており、こうした生産地と海外の消費地を結ぶ物流の動脈が堀川であったことが窺える。また、木材の流通経路としても、貴重な役割を果たしており、木曽のヒノキが代表的なものである。その他の良材も運搬されており、名古屋は仏壇の製造(名古屋仏壇)においても、他地域より優位性を持っていた。こうしたものづくりを物流面で支えていたのが、堀川であったことが分かる。木材に関して言えば、産業のみならず文化にも大きな影響を及ぼしており、同じく『堀川沿革誌』には、「贅を尽くした山車や、からくり人形の作成にあたって、広大な濃尾平野から、もたらされる豊かな「木曽材」が堀川端から得られたことは見のがせない」と記されている。木に纏わる産業や文化、すなわち名古屋の人々の暮らしに大きな影響を及ぼしていたことが窺える。同時に、こうした伝統の技が、今日に息づいていることも見逃せない。今日、名古屋のものづくりのルーツは、こうした良質な原材料の供給にあり、それらの加工の技術が時を超えて洗練されてきたのが、名古屋のものづくりなのである。【関連問題】年月日1.木材を例に、名古屋の産業と文化において、堀川の果たした役割を整理しなさい。2.伝統的な技が今日の産業(自動車や航空宇宙産業)とどのように結びついているのか、考えなさい。3.名古屋市内には経済産業省から指定された伝統的工芸品がある。木材に関連する工芸品は何か。