経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 32/308

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基礎知識300マクロ経済学# 25クラウディング・アウト/マクロ経済学今、閉鎖経済の財市場において消費関数がC =300+0.8Y、投資関数が? ? 200 ? 10?、そして政府支出がG=300とそれぞれ与えられていたとする(?は所得、r....

基礎知識300マクロ経済学# 25クラウディング・アウト/マクロ経済学今、閉鎖経済の財市場において消費関数がC =300+0.8Y、投資関数が? ? 200 ? 10?、そして政府支出がG=300とそれぞれ与えられていたとする(?は所得、rは利子率)。また一方で、この経済の貨幣市場において実質貨幣需要がMD =0.4Y-20r、実質貨幣供給がMS = M/Pとそれぞれ与えられていたとするう(?は物価水準、Mは名目貨幣供給)。日本銀行はM=400としている。この経済の財市場と貨幣市場を同時に均衡する状態において利子率と所得の水準はそれぞれいくらになるか。なお、物価水準はP=1で一定とする(物価が動かない期間の経済を考える)。また政府支出をG =500へ増加させたときに生じるクラウティング・アウトの大きさはいくらか。【解説】□解説ビデオクリップ閉鎖経済のもとにおける財市場均衡式はY =C + I + Gと表される。この式に与えられた条件を代入して利子率rについて解くと次のようになる。r=-0.02Y+80一方、貨幣市場均衡式はMS=MDと書くことができる。この式に与えられた条件を代入して利子率rについて解くと次のようになる。r=-0.02Y-20これら式を連立させて利子率と所得水準を求めると、Y =2500とr=30を得る。次に財政政策により政府支出がG =500へ増加した場合、同様のやり方で利子率と所得を計算すると、Y =3000とr=40を得る。クラウティング・アウト(crowding-out)とは政府支出の増加により市場利子率が上昇することで民間の投資が減少して、民間の経済活動(財市場のおける活動)を抑制(所得を減少)させる効果のことをいう。政府支出を増加させる前、つまりG =300のときのIS曲線の式はr=-0.02Y+80であり、財政支出を増加させてG =500にするとその式はr=-0.02Y+100となる。このもとで、利子率が政策変更前のr=30のままならば、(財市場を均衡させる)所得水準はこの式にr=30を代入することで、Y =3500となる。しかし、上で計算したようにG=500になると市場利子率はr=40へ上昇することになり、所得はY =3000となることが分かっている。つまり、政府支出が増加により利子率がr=30で変わらなければ所得はY =3500となっていたにもかかわらず、利子率がr=40へ上昇することで所得はY =3000となり、500だけ減少してしまうことになる。この利子率の上昇にともなう所得の減少分(民間経済活動の停滞)がクラウティング・アウトとなる。【関連問題】年月日1.クラウティング・アウトとはどのような現象を意味するのか、説明しなさい。