経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 35/308

電子ブックを開く

このページは 経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 の電子ブックに掲載されている35ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
基礎知識300マクロ経済学# 28 AD‐AS分析1/マクロ経済学総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線を使って、財政政策や金融政策が経済における物価および所得(生産)水準にどのような影響を及ぼすかを考えたい。このとき、労働....

基礎知識300マクロ経済学# 28 AD‐AS分析1/マクロ経済学総需要(AD)曲線と総供給(AS)曲線を使って、財政政策や金融政策が経済における物価および所得(生産)水準にどのような影響を及ぼすかを考えたい。このとき、労働市場において名目賃金が需給を一致させるように完全に伸縮的に動くと仮定する古典派モデルと、名目賃金は下方に対しては硬直的(動かない)と仮定するケインズ・モデルとで、その影響にどのような違いが生じるか説明しなさい。【解説】□解説ビデオクリップ①古典派モデル:名目賃金が需給を一致させるように完全に伸縮的に動くと仮定するケースすでに学習したように、このケースではAS曲線が垂直となる。またこれもすでに学習したように、財政支出の増加や名目貨幣供給の増加といった拡張的な財政・金融政策は右下がりのAD曲線を右上方へシフトさせる。その結果、図が示すように物価の上昇をもたらすだけで、所得(生産)水準にはまったく影響を及ぼさないことが分かる。そのように、伸縮的な名目賃金を仮定する古典派モデルのもとでは、総需要を刺激する財政および金融政策はまったく効果のないものとなる。この古典派モデルの仮定は、あらゆる価格による需給調整が完全になされるほど長い時間的な視野をもっており、その調整(調整には時間がかかる)が十分になされないより短期的な視点に立って分析しているのが次のケインズのモデルである。??? ?? ??曲線??曲線? ??②ケインズ・モデル:名目賃金が下方に対して硬直的(動かない)であるケースこのケースではAS曲線が右上がりとなる領域をもつことになる。このもとで財政・金融政策により総需要を刺激してAD曲?線を右上方へシフトさせた場合、物価が上昇するとともに所得?(生産)水準も増加する。?つまり、市場調整が完全におこなわれない比較的短い視野??に立てば経済は望ましい(完全雇用の)状態から乖離することがあり、よって適切な経済政策を裁量的におこなうことで、景気を調整する必要があるというのがケインズの考え方である。??曲線? ?? ???曲線?【関連問題】年月日1.古典派モデルとケインズ・モデルの経済政策の効果に違いを生じさせる原因は何か。