経済学部生のための基礎知識300題 ver.2 page 65/308
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基礎知識300ミクロ経済学# 58寡占市場1ゲーム理論/ミクロ経済学同じハンバーガーを作っている2軒のハンバーガーショップA店とB店とがある。今、各店の経営者は、ハンバーガーの価格を100円にするか70円にするかを決....
基礎知識300ミクロ経済学# 58寡占市場1ゲーム理論/ミクロ経済学同じハンバーガーを作っている2軒のハンバーガーショップA店とB店とがある。今、各店の経営者は、ハンバーガーの価格を100円にするか70円にするかを決定しようとしている。これらの店への消費者は、合計で200人いるとする。同じ価格を選択すると、それぞれ100人ずつ店に来るが、価格が異なると、安い方の店に200人全員が行くことになる。また、ハンバーガー1個生産するにかかる費用が20円で一定とすると、それぞれの店の経営者は、どのような価格を設定すると考えられるか。利得表を作成した上で考えなさい。【解説】□解説ビデオクリップ双方が100円の価格を設定する時、A店・B店ともに同一利潤(Π)、Π=100×100-20×100=8000である。一方の店が70円で、他方の店が100円の時には、70円の店の利潤:Π=70×200-20×200=10000100円の店の利潤:Π=0となる。双方70円の価格を設定する時、A店・B店ともに同一利潤なのでΠ=70×100-20×100=5000となる。よって、利得表は右表のようになる。A店の経営者は次のように考える。「もし、B店の経営者が70円の価格設定をしているなら、自分(A店)が70円を設定すると5,000円の利益で、100円を設定すると0円の利益なので、価格を70円に設定する方がよい。もし、B店の経営者が100円の価格設定をしているなら、自分(A店)が70円を設定すると10,000円の利益で、100円を設定すると8,000円の利益なので、価格を70円に設定する方がよい。いずれにしても、70円と価格設定する方が良い」との結論(支配戦略と呼ばれる)を得る。B店の経営者も、A店の経営者と同様の思考過程を経て、70円と価格設定する方が良いとの結論を得る。結果的に、A店・B店ともに価格を70円と設定することになる。双方にとり、もっと利潤の大きいケース(双方ともに100円と価格設定し、8,000円の利益を得る)があるにもかかわらず、そうならないこのようなゲームの状況を囚人のジレンマ(prisoner's dilemma)の状況と呼ぶ。【関連問題】年月日1.価格が100円か50円の選択の時は、どのような結果になるか。