経済学部生のための基礎知識300題 ver.2

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基礎知識300マクロ経済学# 1付加価値/マクロ経済学ある1年で、みかん農家は、200億円のみかんを生産し、そのうち150億円分をジュース製造業者に販売した。ジュース製造業者は、それをもとに280億円のみかんジュース....

基礎知識300マクロ経済学# 1付加価値/マクロ経済学ある1年で、みかん農家は、200億円のみかんを生産し、そのうち150億円分をジュース製造業者に販売した。ジュース製造業者は、それをもとに280億円のみかんジュースを生産し、それを小売業者に全て販売した。それを、小売業者は300億円で消費者に販売した。この時、小売業者の1年間の付加価値はいくらか。【解説】□解説ビデオクリップ付加価値(Added Value)とは、生産額から中間投入にかかった額を引いたもの、つまり、その産業で、純粋に生み出された価値のことである。付加価値の概念を考えるために次のような事例を採り上げる。今一国内で、50億円分の小麦を用いて100億円分のパンを焼くという生産活動のみが行われているとしよう。つまり、小麦を中間投入として最終的にパンが生産される。この時、社会全体で生み出された価値を生産額で表そうとすると、小麦50億円+パン100億円=150億円となる。しかし、パン100億円の中には、小麦50億円分の価値が既に含まれており、二重計算となってしまう。したがって、このままでは、純粋に生み出された価値を表すことができない。生産額から中間投入の額を引くことによって、二重計算を避ける必要があるのである。小麦の生産に中間投入が存在しないと仮定すると、二重計算を回避した社会全体で純粋に生み出された価値は、小麦50億円+パン50億円=100億円と表されるのである。上記の例題では、小売業者は、280億円でみかんジュースを仕入れ(中間投入)、300億円で消費者に販売したのだから、この産業の付加価値は、300-280=20(億円)となる。【関連問題】年月日1.付加価値という概念はなぜ重要なのか。2.ある1年で、みかん農家は200億円のみかんを生産し、そのうち150億円分をジュース製造業者に販売した。ジュース製造業者は、それをもとに280億円のみかんジュースを生産した。この時、ジュース製造業者の1年間の付加価値はいくらか。3.ある1年で、みかん農家は200億円のみかんを生産し、50億円分のみかんは小売業者に販売し、残りの150億円分をジュース製造業者に販売した。ジュース製造業者は、それをもとに280億円のみかんジュースを生産し、小売業者に全て販売した。小売業者は、みかんを60億円で、みかんジュースを300億円で消費者に販売した。この時、小売業者の1年間の付加価値はいくらか。