推薦図書のページ

今、この本がおもしろい


 各学科の教員より、学生の皆さんにぜひ読んでほしい図書を紹介します。文庫・新書を中心に紹介してありますので、比較的入手しやすいでしょう。 図書館に所蔵しているものは[ ]に請求記号があります。


岡澤憲一郎

[Okazawa,Ken'ichiro 経済学部教授・社会学、社会科学概論、経済社会学]


� 悒廛蹈謄好織鵐謄�ズムの倫理と資本主義の精神』マックス・ヴェーバー 大塚久雄訳 岩波文庫 1989(改訳) [309‐217‐1/2]

�◆慍瀛召箸浪燭世蹐Δ�』 今村仁司 ちくま新書 1994

��『砂漠の修道院』 山形孝夫 平凡社ライブラリー 1998

�―ゞ飢�革期のプロテスタントたちは一生懸命働いた。神の栄光と自分の救いのために。その結果、思いもよらない「資本主義の精神」を生み出してしまった。 大学生としてぜひ読んでおきたい一冊。

�△佞世鷁慎い覆�使っている貨幣。この貨幣を経済学的にではなく、人間の生き方からみた力作。 ジンメルの『貨幣の哲学』に注視し、ゲーテやジッドの小説を貨幣小説として読み直している点がおもしろい。

��初期キリスト教の修道士たちにならって、いまだにナイル川西岸の砂漠で修道生活を営んでいるコプト教(エジプトのキリスト教)の修道士たちがいる。 その驚くべき姿が著者の体験的調査をもとにして描き出されている。

 

生越達美

[Ogoshi,Tatsumi 経済学部教授・教育心理学]


『青春漂流』 立花隆 講談社文庫 1988

 高名な評論家である著者によるユニークな青春論である。取材に著者は一年かけ、十一人の若者に会い、彼らと長時間語りあったという。 その若者たちの職業がユニークだ。オーク・ヴィレッジ塗師をはじめ、手づくりナイフ職人、精肉職人等であるが、それぞれの分野において世に 認められるようになった人たちである。といっても、よくある成功物語ではない。彼らは皆学校では落ちこぼれだった。 それが「情熱をかけるべき対象」とひとたび出会い「大変な努力家に変身」する。「恥なしの青春、失敗なしの青春など、青春の名に値しない」 「(青春は)謎の空白時代」と著者はいうが、青年期の意味はもちろんのこと、人生ということも教え、考えさせてくれる本だ。 ぜひ学生諸君に読んでもらいたい本である。

 

高田富夫

[Takada,Tomio 商学部教授・交通経済論]


� 愡唆塙渋て�門』 小野五郎 日経文庫 1996 [081‐S97‐N536]

�◆悒�ルマから見る日本社会』 三本和彦 岩波新書 1997 [081‐S96‐I483]

�\里�ら、盛衰は世のつね人のつねと言われます。技術革新や価値観の変革によって産業構造は変化し、その結果半ば歴史の必然として個々の産業や企業の盛衰が生じます。 本書は、産業構造の歴史をたどって、基幹産業が変遷してきた背景を述べるとともに、消費者の自由な選択と生産参加を実現した産業が今後の産業構造を支配すると 予想しています。

�∨椽颪呂箸討皀罐法璽�な視点から現代のクルマ社会を批判しています。 交通事故や都市の超過密化、貧弱な道路等々、全編を通じて行政当局と自動車業界にたいする辛辣な批判に徹しています。 こうした批判はすべて的を得たものとは思いませんが、日頃見過ごしやすいクルマ社会の負の側面についてあらためて考え直すよい機会を与えてくれるでしょう。

 

中村義寿

[Nakamura,Yoshihisa 商学部教授・経営学]


� 愎曜楴腟全覿函戞^肪扱蒜掘,舛�ま学芸文庫 1993 [335‐414]

�◆惶霏膣覿箸遼徑遏戞^羮緡完賚此…�日文庫 1994

��『「良い仕事」の思想』 杉村芳美 中公新書 1997 [081‐S97‐T1381]

�\鏝綟�本の経済的繁栄の土台となった、日本的な経営方式の強みと弱みを解明するとともに、これからの国際化時代に日本企業が持つべきビジョンおよび進むべき道を 独自の視点から提言している。

��大量生産・大量販売を原理とする20世紀的巨大企業システムの行き詰まりを、世界の大企業の行動から検証しており、新しい21世紀型の企業像を考えるにおいても 示唆に富むものを有しているといえよう。

�F�本経済のパラダイム、労働環境が大きく転換する中で、仕事とは、その目的とは、を問い直す動きが広がっているが、本書では、 「良い仕事」をテーマに勤勉倫理や自己実現願望を超える新しい仕事倫理が追求されている。

小野経男

[Ono,Tsuneo 外国語学部教授・英語学]


� 悒泪供次Ε謄譽機△△佞譴覦Α戞_�守弘 講談社 1981

�◆悒織銅匆颪凌祐峇愀検戞|羣�千枝 講談社現代新書 1986 [081‐S90‐K105]

�ゝ媽發�最大の心理を表すことがある。昨年亡くなったマザー・テレサの生涯を貫く逆説がまさにそれである。 「貧しい人は美しい」と口癖に言うマザー・テレサは、貧しい人こそ決して嘘は言わな い、貧しい人こそキリストという信念を抱いていた。 究極の貧しい人は嘘を言う余裕さえないことを言い当てているのである。 日本では、 〈希望の家〉のような響きの良い名前を付けるのに、彼女はあえて〈死を待つ人の家〉 (Home for Dying Destitutes)と付けたのは単なるリアリズムに則したのではなく、死を待つ人の方が純粋で美しいと考えたからである。 写真家の著者がマザー・テレサを追求しながら、その究極の信仰に困惑する姿が興味深 い。

��日本を離れて初めて日本が理解できるとよく言われる。それほど日本という国は単一性を持つ社会で内でのうのうと生活している者には全体像がつかみきれない。 この本はわれわれの周囲にある慣習・因習というものがなぜ生起したのかを理解させる。日頃気がつかない人間関係を規制する潜在的な組織を明らかにしてくれる。日本を知る良いガイドブックである。

中田昭一

[Nakata,Shoichi 外国語学部講師・中国近代史]


� 悗海譴�らの経済学』 佐和隆光 岩波新書 1991 [081‐S91‐I166]

�◆慍�縄の怒り』 伊佐千尋 文春文庫 1996

 「規制緩和」は先の見えない日本経済の特効薬だろうか。僕は経済学の専門家ではないけれど、経済効率を追求しさえすれば、日本社会が豊かになるとはどうにも思えない。

�,蓮�経済社会における「効率」と「公正」をどうかねあわせるべきか、という視点から問題提起をする一冊。

 最近、沖縄出身の女性タレントの活躍が目覚ましい。 彼女たちの活躍自体はとても良いことなのだけれど、その一方で、米兵の少女暴行事件がすでに多くの「大和」の記憶から薄れつつある現実を思うと、何か悲しくなってくる。

�△蓮�1970年のコザ事件を描き出したノンフィクション。僕たちは返還後26年を経ても変わらない沖縄の現実に、もっと目を向けるべきではないだろうか。

図書館

[Toshokan]


 今年が何の年か意識して読む本を選んでみる、という読書はいかがでしょうか。ちなみに、1998年は次のような年です。 図書館で所蔵している本をいくつか紹介しますので手にとってみてください。

★サッカーワールドカップ開催

 『ワールドカップの世紀』 後藤健生 文藝春秋 1996 [783‐S96]

 『サッカーの世紀』 後藤健生 文藝春秋 1995 [783‐S95]

★日本におけるフランス年

 『映画で歩くパリ』 鈴木布美子 新潮社 1993 [293‐S97]

 『地球の歩きかた フランス』 ダイヤモンド社 [290‐S97]

 『窓の外はパリ』 篠沢秀夫 集英社 1995 [914.6‐S97]

★死後100周年の作家−ルイス・キャロル

 『不思議の国のアリス』 ルイス・キャロル 東京図書 1987 [933‐153 ]

 『ルイス・キャロルの生涯』 ハドスン 東京図書 1985 [930‐29]

★死後50周年の作家−太宰治

 『太宰治全集』 筑摩書房 [918‐12‐1〜12]

 『辻音楽史の唄−もう一つの太宰治伝』 長部日出雄 1997 [913. 6‐531]

図書館報「α」Vol.10 No.1目次にもどる