特集:漂う日本
アメリカからみた日本
太田真澄
[Ota,Masumi 外国語学部英米語学科・4年]
今この動乱の世の中で私達の身の回りには、ありとあらゆる様々な事件が起こっている。この社会を見つめるにあたって、「自立と自律」は日本社会全体にとって今一番欠けていることであると考える。人間そのものの中身よりも、いかにこの社会の現状に身を委ねうまく生存していくか、ということを考えている人が多く、また人間の価値が、お金に象徴されるような目に見えるものでしか判断されなくなってしまっているのである。根底には政治によって、そういうふうに流されてきたということがあるのかもしれません。私達はこの社会の中で視野を広げ、自分の個性を生かして生きていくべきであると考える。
「一般人は常に意見や考えを周囲に合わせようとする。かたや個性を持つ人は、決して周囲に合わせようとはしない。そのために一般人は初めて自分の周りを見つめだし、発見を得る。よって、社会の発展は個性を持つ人の肩にかかっているのです。」米国大統領夫人ヒラリーの言った印象深い言葉である。また、私がアメリカ留学中に強く感じとったことは、「個性と積極性」の重要さである。アメリカ人の学生達と触れ合う機会を通して、自分の意見の積極的主張や憶せずに自分の個性を発揮しようという姿勢の大切さを痛感したのである。
これから二十一世紀を迎えるにあたって、多方面から物事を見つめ直すことが必要である。この揺れ動く社会の中で、一人一人の個性を伸ばしてあげられるような学校教育、子供のしつけをしっかりとできる親のあり方、文化のフィルターを通して見る視野の広さ、など様々なことが必要となってきます。人間らしく生きることを大切に、この現代の流れの中で、どう自分を生かすことができるか、それが「あいまいな日本」にとってのこれからの重要な課題である。
図書館報「α」Vol.10
No.2目次にもどる