特集:漂う日本

大学を卒業した若者達

加藤堅太郎
[Kato,Kentaro 経済経営研究科・経済学専攻・1年]



 7月18日の中日新聞朝刊に「漂う若者」と題した記事があった。就職して何年もしないで退職し、公共職業安定所で失業保険の給付を受け、次の仕事を探すが希望する条件に合わず、働く目的もなく、生活費さえ稼げればいいという若者をレポートしている。記事中に若者の姿を見る60代の女性が「昔は不景気でも、若い人はガムシャラだった。職業への意識が軽くなっただけでなく、自分で切り開く意欲もないのかも。社会での責任を感じないで、ただ漂っているだけなのかしら……」と言っている。私は学部を卒業して3年経ってこの大学院へ入学してきたが、最近学部卒業時に就職した友人から、会社を辞めたとか、今いる会社がつらくて……等という言葉をしばしば耳にする。

 労働環境や仕事上の人間関係は必ずしも恵まれるものではない。働く目的を持たない若者にしてみれば、恵まれない環境から自ら逃避しようとしているに違いない。しかも今の企業社会ではやりたくない人をあまり引き止めることはしないようだ。このような悪い傾向が一般化しているとしたら、現在の不況を乗り越えたり、これからの経済を支えることが到底できないように思われる。

 ちなみに私自身は税理士を目指して昨年会計事務所に就職し、現在は有り難いことに大学院の授業の無い日だけ仕事をさせてもらう毎日を過ごしている。我儘ではあるけれども、他人に迷惑をかけまいと何事にもめげずに出来る限り精一杯励んでいる。

 いま大学で学び、これから社会へ出ていこうとする人達は、少なくとも大学在学中に自分自身の将来について考え、何をする自分になりたいかという目標を決めるようにしたい。そして決めた目標実現のために大学卒業前後を通じ、どんな苦労にも耐えて頑張ることが大切である。私の場合、「仕事は将来のための修行である」と位置づける。ただ何となく、周りが就職するから自分も仕事に就こうという程度の気持ちでは、結局「漂う若者」にしかならないと思う。


図書館報「α」Vol.10 No.2目次にもどる