特集:キレる若者達





少年犯罪について





大久保江美(おおくぼ えみ)


[経済学部経済学科4年・藤井ゼミ]



 近年、中学生・高校生による犯罪が多数起こっている。中学生が同級生をナイフで刺すという事件も起こったし、数人の若者集団が中高年の男性を脅す「オヤジ狩り」と呼ばれる事件も起こっている。このような事件を起こした少年達は、その動機について「バカにされてるような気がした」、「ムカついた」と口々に言う。

 なぜ少年達はキレるのだろうか。確かに、中学生・高校生といえば思春期でもあり、多感な年頃である。ちょっとしたことで頭にくることもあれば、訳もなくイラつくこともあるだろう。しかし物事の善し悪しは分かるはずである。ナイフで刺したら、相手は体だけでなく心も傷つくのである。後で起こる最悪の結果も考えないで、一時の感情のままに行動するのは子供のすることである。

 少年だからといって、罪からまぬがれる訳ではない。しかし、神戸の事件に関しては疑問を感じた、この事件はあまりにも有名だが、罪を犯した14歳の少年は3人の子供を殺しただけでなく、その体をバラバラにするという残虐な行為をした。しかし彼は少年院に入っただけで、いずれは社会に復帰できるのである。 少年だから、という理由だけでである。

 現在少年法は被疑者が未成年の場合は全ての事件が家庭裁判所に送られるよう制定されている。たとえ殺人を犯し、どんなに残虐な行為を起こそうと、少年達は刑をまぬがれてしまうのである。しかし近年あまりにも少年犯罪が多発しているために、法務省は14歳以上の少年に刑事罰を科することができるように少年法を改正する案を検討中である。

 これから少年犯罪の低年齢化はますます進むであろう。少年法の改正はこのことから不可欠であるといえる。

図書館報「α」 Vol.11 No.1 目次にもどる