エッセーのページ

もと若者の読書のすすめ


鉢形 繁

[Hachigata,Shigeru 大学院生・経営政策専攻]



 私は、今年度、名古屋学院大学の経営政策専攻の院生として、47才になって入学しました。 学業から離れ早20数年の月日を社会人として生きてきました。私はこの大学の多くの教授の暖かいご配慮を受け社会人としての生活を続けながら勉強する事ができ、 現在感謝の気持ちを忘れない様に自分に言い聞かせながらの毎日です。 毎週月曜と木曜は瀬戸の本キャンパスに通っていますが、時々図書館を利用するうちに、蔵書の多さと多種に及ぶ研究資料の多さに驚きました。
 私の以前かよった大学はマンモス大学であり、学生の人数の割合から考えても規模は本校程ありませんでした。恵まれた環境だと思います。 若い時に読んだ本は、不思議に今も私の心の中で生きており、文章の中のイメージも若い時の方がずっと豊かで楽しかった様に思うのは私だけでしょうか。 社会生活は人それぞれ違いますが、現実社会を生きて行く内に多くの夢をわすれ毎日の生活に流されている事は事実であり、自由であったはずの自分を自分自身でコントロール して、社会人となり、多くの情報は新聞とテレビだけになり、知らない事を本で探し吸収しようとしていた、あの頃は、もう随分昔の様な気がします。 本校で授業を受ける日の昼食の時間には多くの学生を見る事がありますが、自由な服装と楽しそうな会話風景、私の大学生の時過ごした時間とだぶってみえ何か懐かしく思い、 自分の子供とあまり変わらない学生を見て、微笑ましい面と若さが羨ましいと言う所が本音です。
 時代は若者が社会に出て新しい社会を作り、私たちは老人になり又その若者たちが老人になり、時代は作られる物だと思います。 今生きる若者よ今こそ読書をしなさいと言うのが、ちょっと昔の若者からの言葉です。本の持つ意味は君たち若者の頭の無限の可能性と 自分も知らない世界へ連れていってくれるものであり、テレビの様な表面だけではなく、本質を見る事が出来るからです。 若いときの感性は時と共に鈍り、社会の中で生きる事は読書の時間のない自分を気付かずに流されてしまうのです。 ぜひ私は読書を今の若い人にすすめます。そして自分たちの夢と自分の感性を磨きすばらしい社会人となって下さい。時代は君たちのものです。 もと若者だった私が自分自身の反省も含めて今思うことは、若い時にいろんな本をもっと読んでおくべきだったと今、心から反省しております。 現在、私は、4冊の本を図書館より借りあと3日ほどで看破できますが、20年前なら3日で読めたでしょうが、老眼になった今一日3時間が限度です。 自分自身ののろいペースに時々嫌気がさす近頃です。

図書館報「α」Vol.9 No.2目次にもどる