平成10年5月19日 簿記練習問題解説

学生番号末尾が奇数の人への問題

次の元帳の残高資料を用いて6桁精算表を完成させよ。

なお、精算表は残高試算表、損益計算書、貸借対照表より構成されている。

 

 

 この問題では、各勘定科目の残高を求め、これを残高試算表に転記することから始める。

ちなみに上記データにより、合計試算表と残高試算表を作成すると以下のようになるから、残高試算表の部分をそのまま6桁精算表の中の残高試算表に転記(書き移す)すればよい。

具体的には、次のようになる。

 勘定科目が、損益計算書に属する収益ないし費用勘定であるか、貸借対照表に属する資産、負債、資本勘定であるかを判定し、残高試算表に記載された借方ないし貸方の金額を、損益計算書ないし貸借対照表の借方ないし貸方に転記する。

 転記が完了したら、損益計算書の借方の合計と貸方の合計を求め、その差額を利益または損失として、勘定科目欄に当期利益または当期損失と表示する。

損益計算書の借方合計<損益計算書の貸方合計となる場合、差額は利益である。

損益計算書の借方合計>損益計算書の貸方合計となる場合、差額は損失である。

また利益金額ないし損失金額は、損益計算書の借方ないし貸方に記載する。

 実際には、

損益計算書の借方金額は、900,000+7,000+10,000+15,000=932,000

損益計算書の貸方金額は、1,000,000 である。よって、1,000,000-932,000=68,000 の利益が生じたことになる。そこで勘定科目欄に「当期利益」と記載し、損益計算書の借方に

68,000を記載する。

 同様にして貸借対照表の借方の合計と貸方の合計を求め、その差額を利益または損失として求める。

貸借対照表の借方合計>貸借対照表の貸方合計となる場合、差額は利益である。

貸借対照表の借方合計<貸借対照表の貸方合計となる場合、差額は損失である。

このときに、損益計算書で生じた利益または損失と、貸借対照表で求めた利益または損失とが一致しないときは、誤りが生じている。計算違いや転記誤りがないか確認すること。

貸借対照表の借方合計は、188,000+700,000+200,000+80,000=1,168,000

貸借対照表の貸方合計は、100,000+1,000,000=1,100,000 となる。よって、

1,168,000-1,100,000=68,000 の利益が生じ、損益計算書で求めた金額と一致する。

 当期利益または当期損失を記載した後、損益計算書および貸借対照表の借方合計および貸方合計を記載する。このとき、損益計算書の借方合計と貸方合計および貸借対照表の借方合計と貸方合計とが一致していることを確かめる。

 

学生番号末尾が偶数の人への問題

次の6桁精算表を完成させよ。ただし買掛金については記載されていないので金額を推定せよ。

 

 この問題では、まず損益計算書と貸借対照表に部分的に記載されている金額から、残高試算表を復元する作業をおこなう。手順は、損益計算書および貸借対照表のみに記載されている金額を、残高試算表の借方ないし貸方に転記する。たとえば現金は貸借対照表の借方に288,000と記載されているので、この金額を残高試算表の現金の行の借方に転記する。この作業を繰り返すと、次のようになる。

 作業が完了したら、買掛金の金額を推定するために、残高試算表の借方合計および貸方合計を求める。

借方合計=288,000+700,000+200,000+80,000+100,000+900,000+17,000+15,000

    =2,300,000

貸方合計=100,000+1,000,000+1,000,000=2,100,000

 試算表では借方合計と貸方合計とが一致するから、差額=2,300,0002,100,000=200,000が買掛金の残高と推定される。残高試算表の買掛金の貸方に70,000を補充し、残高試算表の借方および貸方の合計を記入し、締め切る。

 残高試算表が完成したので、損益計算書および貸借対照表に記入されていない勘定科目について、損益計算書に属する収益ないし費用勘定であるか、貸借対照表に属する資産、負債、資本勘定であるかを判定し、残高試算表に記載された借方ないし貸方の金額を、損益計算書ないし貸借対照表の借方ないし貸方に転記する。

 転記が完了したら、損益計算書の借方の合計と貸方の合計を求め、その差額を利益または損失として、勘定科目欄に当期利益または当期損失と表示する。

損益計算書の借方合計<損益計算書の貸方合計となる場合、差額は利益である。

損益計算書の借方合計>損益計算書の貸方合計となる場合、差額は損失である。

また利益金額ないし損失金額は、損益計算書の借方ないし貸方に記載する。

 実際には、

損益計算書の借方金額は、900,000+7,000+10,000+15,000=932,000

損益計算書の貸方金額は、1,000,000 である。よって、1,000,000-932,000=68,000 の利益が生じたことになる。そこで勘定科目欄に「当期利益」と記載し、損益計算書の借方に

68,000を記載する。

 同様にして貸借対照表の借方の合計と貸方の合計を求め、その差額を利益または損失として求める。

貸借対照表の借方合計>貸借対照表の貸方合計となる場合、差額は利益である。

貸借対照表の借方合計<貸借対照表の貸方合計となる場合、差額は損失である。

このときに、損益計算書で生じた利益または損失と、貸借対照表で求めた利益または損失とが一致しないときは、誤りが生じている。計算違いや転記誤りがないか確認すること。

貸借対照表の借方合計は、288,000+700,000+200,000+80,000+100,000=1,368,000

貸借対照表の貸方合計は、200,000+100,000+1,000,000=1,300,000 となる。よって、

1,368,000-1,300,000=68,000 の利益が生じ、損益計算書で求めた金額と一致する。

 当期利益または当期損失を記載した後、損益計算書および貸借対照表の借方合計および貸方合計を記載する。このとき、損益計算書の借方合計と貸方合計および貸借対照表の借方合計と貸方合計とが一致していることを確かめる。