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 ▼ 最小二乗推定量の導出

最小2乗推定量(残差平方和を最小にする公式)


微分を利用して、上式の導出を行う。

 最小二乗法は、観測値の平均からの平方偏差の和を最小にすることで、いまその和をS2とすると次のように書ける。

または

で与えられる。和S2を最小にする変数a,bの組み合わせを決定するには、S2を変数a,bに関して偏微分する。

 上の2式の導関数を0とおき、a,bの推定量をとおくと

    (式1 )

    (式2 )

を得る。推定量として残差etを考慮すると

と書くことができる。このとき残差をと示すことができる。
 以上のことから、最小二乗法は「残差の二乗和」を最小にするようにパラメータa,bを推定する方法と考えることができる。式(1),式(2)は次のように書き表せる。

    (式3 )

    (式4 )

式(3),式(4)は「最小二乗正規方程式」と呼ばれている。また

    (式5 )

    (式6 )

となる。(式(5),式(6)となることを確かめよ。(Hint!  式(1),式(2)の括弧の中を考えよ。)
 式(3),式(4)をについて解く。の解は

    (式7 )

となり、式(7)の分子について考えてみると、

となる。ここに

また、(7)の分母は次のように書き表せる。

上のことから式(7)は次のように書ける。

    (式8 )

いま、とおきかえると、であるので、式(8)は

と書き表せる。の解は、式(3)からただちに求めることができる。

    (式10)

以上のことから標本回帰式は次のように表わされる。

 
 □例題:正規方程式の条件 難易度:★★★ 目安時間:20分
  正規方程式の条件であるXeの合計を計算してみよ。正規方程式の条件を満たしているかを確認せよ。

last modified :2005.11.05