教育心理学研究(シラバス)
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この講義では、学校教育におけるいくつかの問題を教育心理学の研究の視点から探求することを目的とする。教育心理学とは、教育に関わる様々な問題を心理学研究の立場から検討し、その問題点と課題を探ることを目的とした学問であり、その扱う領域は多岐にわたる。それら全てに言及し、理解することは困難である。そこで、それらの中から、以下の3つの課題の中から、本講義の受講生が各自選択した一つの課題について深く探求して欲しい。
そのために、下の各テーマにおける論文リストから日本教育心理学界の学会誌である「教育心理学研究」の中から、2つ以上の文献を取り上げ、その要約をするとともに、更にそれらの関連文献として指定した英語論文1つ以上の要約を作成する。更に、それらの文献を元に各課題における問題点と、今後の課題を整理し、考察する。
1.言語と教育について
2.教授法・授業過程について
なお、日本語文献の詳細なリストについては、下記URLを参照の上、各自ダウンロードしてください。英語論文については下記URLに掲載されたものをダウンロードしてください。一般図書文献については、各自で参照してください。
課題の概要
1.言語と教育について
英語科教育において、その基礎となる日本語の理解能力の影響はきわめて大きい。そこで、この課題では、子どもたちの言語の能力に焦点を当てて考察する。言語能力と一言で言っても、その範囲は広い。たとえば単語の意味をどのように把握しているのか、漢字をどのように理解しているのか、文法をどのように理解しているのか、文章の構成をどのように理解しているのかなど言語能力はそれに関わる様々な側面がある。これらについて考察し、子どもたちの言語能力と教育の関わりについて考察する。
教育心理学研究の文献例(タイトルのみ)
・ 英文の主語把握の誤りとその修正 : 日本語「?は」による干渉
・ 外国映画のリスニングが中学生の学習意欲に及ぼす影響(実践研究)
・ 日本人大学生の英語学習における目標志向性と学習観および学習方略の関係のモデル化とその検討
・ 英単語学習方略が英語の文法・語法上のエラー生起に与える影響の検討
・ 英単語学習における自覚できない学習段階の検出 : 長期に連続する日常の場へ実験法を展開する
・ 学習者の不十分な知識を修正する教授方法に関する研究 : 等位接続詞andの学習をめぐって
2.授業過程・教授法について
・ 予習が授業理解に与える影響とそのプロセスの検討 : 学習観の個人差に注目して
・ 学習上の援助要請における教師の役割 : 指導スタイルとサポート的態度に着目した検討
・ 主体的に考え,学び合う授業実践の体験を通して,子どもはグラウンド・ルールの意味についてどのような認識の変化を示すか
・ 学習方略の教授と学習意欲 : 高校生を対象にした英単語学習において(実践研究)
・ 教師のリヴォイシングの相違が児童の聴くという行為と学習に与える影響
・ 児童による話し合いを中心とした授業における聴き方の特徴 : 学級と教科による相違の検討
・ 教育実習生の実習前後の授業観察力の変容 : 授業・教師・子どもイメージの関連による検討
参考文献
高野陽太郎、岡隆 2004 心理学研究法 有斐閣
日本教育心理学会 2003 教育心理学ハンドブック 有斐閣
大野木裕明、中沢潤 2002 心理学マニュアル研究法レッスン 北大路書房
大村彰道(監修) 2001 文章理解の心理学 北大路書房
森敏昭(編) 2001 おもしろ言語のラボラトリ− 北大路書房
大村彰道、遠藤利彦 2000 教育心理学研究の技法 福村出版
新しい教育心理学者の会 1995 心理学者教科教育を語る 北大路書房
岸本弘(編) 1994 教育心理学用語辞典 学文社