皆さん、こんばんは。ご紹介にあずかりました、私、社団法人地域問題研究所というところの調査研究部長をやっています松村と申します。 きょうのテーマが「万博よりもまちづくりを」とこう書いてあるんですね。何かこうビラが出ましたら、えらいいろんな人が言うてくるんですね。何を言うてくるのかというと、「松村さん、万博反対ですか」と。「万博よりもまちづくりを」と書いてあるから、万博なんかやめておいてまちづくりをやれよと、そういうことかということでお尋ねになるものですから、最初にそこに書いていますけれども、私がなぜこのテーマを設定したかということをお話ししなきゃいかぬというふうに思っているわけです。 皆さんご存じのように、まちというのは生き物なんですね。だから当然、きのうあったと思った家が壊されて、そこに新しいビルが建ったり、あるいは道が直されたりしているわけです。そういうふうなことで常にいろんなまちづくりを考えたり、まちを考えていくときには課題というのがたくさんあるんです。道路も整備しなければあかんし、むろん高齢化社会になって老人の方がたくさんおられる。あるいは、文化の時代になって、いろんな文化を楽しんでもらうようなこともやっていかなあかんということで、要するに万博があってもなくても、やらなあかん課題というか、あろうがなかろうが、まちづくりに関しての課題というのはたくさんあるわけです。 一方、万博があるから考えなあかんという課題もあるんですね。何かなと考えますと、前者の話は先ほど言ったように、万博がなくてもあっても考えなあかん課題。たとえば、下水道を整備するですとか、瀬戸市の場合でしたら地場産業である陶磁器産業をどうやって振興していくのかということですとか、あと中心市街地、皆さん方いつも尾張瀬戸で駅を降りられてバスに乗られるわけですが、あの中心部ですね。相変わらずの渋滞と衰退している。これを何とかせなあかんということもありますね。さっき言ったように高齢化社会であるとか、あるいは少子化社会であるとか、福祉の問題だとか、ものすごくたくさんあるんですね。 一方、万博があるから考えなあかん課題というのは、いろいろ考えましたが、多分、僕は基盤整備と自然保護ぐらいしかないんじゃないかなと思っておるんですね。だから、圧倒的になくてもあってもやらなあかん課題がいっぱいあるわけだから、そういうことを万博に浮かれることなくやらなあかんよということを言いたかったのが1つなんですね。 じゃあ万博は要らないかといったら、私は、今もそうですが、21世紀は都市間競争の時代だというふうに思っているんです。都市間競争の時代って何かと言ったら、情報発信をするところに情報が集まってきて、情報が集まってくるところに金も集まってくるという構造になっているんですね。だから、いろんなまちはいろんなことでとにかく情報発信しようということで、世界音楽祭をやったり、ジャズフェスティバルをやったり、あるいは雪のいっぱい降るところで何とかならぬかといって雪だるまを宅配便で売ったりして、何をやっているかと言ったら、まさに全国に知ってもらおうということなんですね。それは、そこに投資が生まれるからなんですよ。だから、瀬戸市はその都市間競争の時代の都市経営の戦略として選んだということであって、何も悪くないと。1つの重要な方法だと思っているわけですね。その1つとして、まさに都市間競争の時代の都市経営戦略の1つの手段として、私はこれを選んだということですので、だからこの万博というのは、非常に貴重なというか、重要なインパクトだというふうに思っているんです。 何が起こるかというと、1つは投資の拡大が起こるということなんですね。当然、わかりますね。2005年までにはそこで2,500万の人が来るために、それをどうやって処理するかというための交通計画ですとか、交通投資が行われていくことになりますし、万博なんて、後で言いますが、2005年で終わりなんですから、あれは目的でなくて私は万博は手段であると。目的はどういうまちをつくるかということなんです。それからいよいよまちづくりが始まるわけですね。それは15年、20年という期間にいろいろなまちづくりをやっていかれるわけですから、その投資が大いに拡大できるということですね。 2つ目がイメージアップです。まちのイメージアップが図れる。だから、まさに情報発信機能が拡大するということですね。10年前から瀬戸市にお邪魔しているんだけど、その当時瀬戸なんていったら「瀬戸内海のどこのまちですか」と、全国に行ったらそんなものですよ。瀬戸市なんて知らないですよ、だれも。瀬戸内海のどこかにあるんじゃないですかと。「瀬戸の花嫁」とか、そういうことしか知らないわけでして、ところがこれだけ報道されますと、やっぱり瀬戸市というのはどこにあって、どういうまちであるのかということがどんどん広がって、今やもう日本の瀬戸市、世界の瀬戸市になってきているわけですね。だから、大いにイメージアップに寄与しているわけで、そういう面から貴重だということ。 それから、最後が人的ネットワークの拡大、蓄積です。この博覧会を機会にたくさんの方が、皆さん方もそうですが、こうやって勉強されておりますし、また、考え方は違え、いろんなかたちで運動をされたり、協力されたりしている方がおられるわけですね。むろん、この万博をやればさまざまなかたちでイベント屋さんとか、土建屋さんとか、いろんな方がかかわってこられるわけで、とりわけ世界からも人がたくさん来られるというふうなことになれば、そういう機会に大いにいろんな人的ネットワークがつくられれば、やがていろんな面でそのネットワークが役立つということになるんじゃないかということです。だから、万博は手段であって目的ではない。このインパクトをどう利用して、どういうまちをつくるかということが、今、問われているんですよと、これが言いたいということなんです。 本当はもうそれで終わりなんですけれども、それでは調子悪いもんですから、その後の話をそこにレジュメを見て参考にしていただいてお話ししますが、さっき言ったように、これからの21世紀のまちというのは、別に万博をやろうがやろまいが、考えなあかんことってたくさんあるんですね。とりわけ、私は、21世紀のまちづくりというのは3つの重要なキーワードがあるというふうに思っているんです。 1つ目が交流という概念。連携、交流という概念だというふうに思っているんです。2つ目が共生という概念。これは循環とか共生とかそういうふうなことを言います。そして3つ目は自立です。自立、自治。これらが、これからの21世紀のまちを考えるときに重要なキーワードとして考えなければいけないことだと思っているんです。そこの2に以下9つずっと課題が書いてあるんですが、実は1から3までが交流、連携に関する課題なんです。4、5、6というのが共生、循環に関する課題なんです。7、8、9というのは自立、自治に関する課題だというふうに思っているわけです。こういうのをどういうふうにやっていくのかが非常に問われていると思っているわけです。そのお話をしようというのが最初です。 最初に、まず交流の時代、交流基盤をつくらなあかんということなんですね。この交流というのは何かと言ったら、人と人との出会いを演出する。あるいはその条件を整えるということなんですね。そういうことが交流の概念ですから。そうなると、人は来てもらう。来ているそういう装置というのをつくるというか、そういう機会、あるいは条件をつくっていくということですから、そこにあるように重要なのは観光拠点と交通の整備だというふうに思うということなんです。まず、来て見てほしい環境というのを整えなければいけない。それが観光であって、「観光」というのは「光を観る」と書くんですね。国の光を見るというのはもともとは中国の言葉でして、その一番自分のまちのいいところを見てもらうという、それがこの観光の原点なんです。だから、最近の観光は単に見るだけじゃなくて、見るという行為から体験するということに変わってきているわけですから、体験できたり、触れられる。あるいは実践できるという機会をどうつくるかということが重要だということなんです。 もう1つは交通網の整備です。いくらおもしろいことをやったり、いくらすごいイベントをやっても、そこへ行くのに大渋滞するとか、なかなか行けないといったらだれも来ないし、広がらないという面があるんですね。そういう面で交通網というのは非常に重要でして、まだ日本のとりわけ地方都市は非常におくれているということなんですね。東京なんか道路をつくるのに建設費より用地買収費の方が高いんですね。大体、道路建設費の9割は土地を買う値段なんですよ。工事費なんて1割しかないんですね。だけど、この田舎の都市でしたら工事費の方がはるかに高い。土地代の方が安いわけですから、大いにやらなあかんということで、東京なんかもうやることがないものですから、東京湾にアクアラインとかいって穴を掘ってるんですね。あれ大赤字ですよ、あんなの。あんな金があったら地方に回してほしいなというふうに思うんだけれども、そういうことをやっていかなければいけない。だから、これからは目的地へスムーズに行ける、到達できるということは非常に大事で、まちの発展というのは高速道路のインターチェンジまでいかに早く行けるかということでこれからは決まるというふうに思っているんです。そういうふうな時代になるというふうに思うのが1番です。 2つ目ですが、成熟化社会というのが起こってくるということなんですね。成熟化社会と言われているんですが、これはどういうことかといったら、とにかく今までは、ものをつくる、あるいは数を増やす、そういうことでやってきたんです。たとえば、学校というのはとにかく鉄筋コンクリートにせなあかんというふうにやってきたんですが、いまやそういうものをほとんど達成しているというか、学校なんかで今どき木造の学校なんかないわけでして、そういうことでナショナル・ミニマムを達成してきたんですね。それで本当によかったのかということになって、最近は非常に豊かな社会になってきて、むしろゆとりとか潤いとか、あるいは個性というのが非常に重要視されてくるというまちになっているわけですね。だから、そういうゆとりとか潤いとか個性ということを積極的にやっていく必要があるということなんですね。 先ほど言ったように、情報が発信されるところに情報が集まって金も集まる。まさにこれが情報化社会の投資戦略ということでもあるものですから、だから積極的に首都にはないまちをつくろう。あるいは、そこにいて個性的なまちをつくろうということが全国で行われているわけです。それは、私は、単に自治体の問題だけではなくて、住民の問題にも、そこに書いてますが、ふるさと意識を醸成するということなんですね。やはりそこに住まれる方が自分のまちを愛して本当によくしようと思われないと、それはエネルギーとしてまちづくりに協力してもらえないんです。 だから、そういう面でも非常に重要でして、これを郷土愛というふうに言っているんですが、たとえばごみゼロ運動をやるのでみんな出てきてよと、一銭にもならないんだけどみんなごみ掃除に出ていかれるわけですね。それは自分のまちを本当に愛していて、やっぱり自分のまちをよくしたいと思っているからそういうことを積極的にやられるということなんですね。もっと言いますと、単に労働を提供するだけではなくて、金まで出してくれる住民の人たちがたくさんおられるような世の中になってきているんですね。その典型が掛川市というまちでして、新幹線の掛川駅、あれは住民の寄附でつくったんですよ。三河安城駅はみんな自治体の分担金でつくったんですよ。あれ30億円ですよ。住民の人たちが1件当たり10万円ずつお出しになりましたが、そうして新幹線の掛川駅をつくったんですね。掛川城というお城がありますが、あれは10億円かかっているんですが、あれも住民の寄附でみんなつくったんですね。ということで、本当に自分のまちを愛したらお金まで出すという、そういう社会になっているわけですから、まさに個性あるまちづくりですとか、潤い、ゆとりを確保していくというのが非常に大事な世の中になっていくということです。 3つ目が国際化という問題なんですね。これも国際交流というのがあるわけですから。調べますと、多分、間違ってないと思うんですが、瀬戸市には外国人の方が3,000人おられます。違うかな。多分、確かだと思いますが、そのうち韓国朝鮮人の方が2,000人おられて、あと1,000人はその他の方だと思うんですね。韓国朝鮮人の方はほとんど人数は変わってないんですけれども、急速にその他の方、ブラジルの方とかそういう方々が非常に増えておるわけですね。まだ、日本はほとんど鎖国状態であるわけですが、そういう状況でも変わらずそういうかたちで外国人の方が住まれるというまちに。これは全国一緒でして、そういうようなことを考えますと、当然、外国人の方が住みやすい環境をつくっていかないかんということなんですね。 先日、そういうことを調べていたら、瀬戸なんかでも外国人の留学生の方がおられて、困っておられることは何ですかと聞いたら、外国人だとビデオを借りられないと言ってましたね。カードをつくれないからとか言って。そういう環境はすぐになくさなきゃいけない。そういうこともあって、まだやることはいっぱいあるということなんですね。 僕は、それだけじゃなくて、実はこれから国際交流ということで今までやってきたというのはどことやってきたかということを考えると、全部アメリカとヨーロッパの国々なんですよ。それは、日本がそういうところから学ぼうということで追いつき追い越せということで、とにかく姉妹都市を結んで交流しながら、そこでの環境とかそこでの風土とか生活を勉強していただいたり、それを日本で何とかそれに見合う地域にしていこうということをやってこられたんですが、もう経済的にははるかにそういう国々をほとんど超えておるわけですね。愛知、岐阜、三重の3県のGDPというのはカナダ一国と同じ大きさなんですよ。だから愛知、岐阜、三重の3県だけでカナダと同等の生産力をもっている社会をつくってきてしまっているわけですから、これからはいかに低開発、発展途上の国々と、あるいは都市と仲よくするかということが求められているわけですね。 だから、姉妹都市を結ぶんだったら、いつも言っているんですが東アジアの国々の都市とか、あるいはアフリカとか中近東の国々と姉妹都市を結んで、日本のいろんな技術、あるいは環境というものを本当にそちらへ移転していくということをやっていかなければいけないというふうに思っているですね。だから、そこにはおのずと国際交流ではなくて国際協力ということが重要視されてくるわけです。低開発国では経済的には非常に恵まれない状況のもとで環境問題とかいろんなことで困っておられるわけですから、そこにいかに支援していくかということが大事だということです。そんなことできるかとおっしゃるんですが、飛島村という愛知県の人口1万人もない小さい村で、休耕田でお米をつくって、そのお米をアフリカの国に支援しているということやっているんですよ。だから、そういうことを積極的にやらなければならない時代になってくるというふうに思うんです。ここまでが交流という話ですね。 4つ目が環境共生のまちづくりということです。これだって別に何も万博の話だけが主ではなくて、環境共生なんていうのはこれから世の中やっていかなあかんわけで、石油なんていったって今のままでいけば45年、約50年で石油は枯渇しますね。天然ガスで70年でなくなる。石炭で200年です。だから否応なしに石油の車に乗っているなんていう時代ではないわけですね。ハイブリッドカーができてやがて水素ガスの車であるとか、あるいはソーラーで走る車ですとか、そういうふうに変わっていくわけですね。だから、そんなことは、別に万博があろうがなかろうがやっていかなあかんと思うんです。そこに書いてあるようにそれが自然との共生と省エネと省資源・リサイクルという社会をつくっていくということなんですね。細かいことは言いません。そこに書いてあるとおりです。そういうことで盛んに対応していくというのが必要ではないかというふうに思っています。ちょっと環境共生の話はまた後でしますので、そのぐらいにしておきます。 もう1つだけ、学生さんがたくさんおられるので、電気自動車をどこに使ったらいいかということを研究している学生さんがおられまして、僕、そのレポートを読ませていただいて学生さんというのはさすがにすごいなあと思ったのは、皆さんどこだと思いますか。電気自動車をもし使うとすれば何に使ったら一番効率がいいか、一番ふさわしいかというのを考えている学生さんがおられて、4年生の卒論ですよ。彼は、ごみ収集車がいいと言うんですね。なぜかというと、電気自動車というのはご存じのように100キロ走ったらもう充電しなければいけない。遠くの方へ行こうかということになると、たとえば東京まで行こうかといったら途中で何回か充電しなきゃ行けないんですね。そうなると充電する場所がないものですから、皆さん買わないわけですね。ごみ収集車を調べますと1日100キロなんか走ってないんですよ。仮になくなったって、どうせごみ収集車なんて大体まちで走っているわけだから、ダーッと走っていってそこで充電すれば済む話なんですね。しかも、ごみ処理で出たエネルギーを使って充電すればただじゃないかと言って、そういう研究をされている学生さんがおられたんです。さすがだなと。研究するならそのぐらいのことやってくださいねということを思っていて、余談になりましたが、そういう面で電気自動車なんていうのはこれから非常に重要な乗り物として活用されていくというふうに思っているわけです。 5番目が高齢化社会への対応ということなんです。これも別に万博があろうがなかろうか、どんどん老人が増えていくという社会になっていくわけですから、何とかせなあかんということですね。それは、1つは高齢化というのは何も悪いことじゃないんですね。何か日本の場合、高齢化社会になって老人がたくさん増える。老人が増えたら金がかかるし大変だということになっているんだけれども、高齢化社会ってどこの国が高齢化社会になっているか調べればわかりますが、全部先進国なんですよ。だから、アフリカのソマリアとかエチオピアとか、そういう国は高齢化社会になりたくてもなれないんですね。だって50歳までで死んじゃうわけですから。だから、本当にすべての国、すべての世界の国々がどこを目指して食糧を自給し、所得を高め、あるいは医療技術を高めていっているかといったらみんな高齢化社会を目指してやっとるわけです。だから、バラ色の社会だと。それを日本は早々と達成したわけですから、まさに手本になってやっていかないかぬということですね。それにしては高齢者に対するいろんな面での文化というのは非常に貧弱なんです 高齢者のための、たとえば新幹線に乗っても高齢者弁当なんてないですよね。大体揚げ物ばかりあって、彼らは低塩で少量で栄養のあるものさえあればいいわけですから。本だって、僕はこのレジュメを11ポイントで打ちましたが、老人の人はこれは見えないですね。14ポイントぐらいで打ってある本でないといかんですね。そうするとこんな厚くなる。厚くなると上下に分けなあかん。そういうふうな出版をしておるかというと、してないわけですね。ほかにもペットなんていうのは非常に病気をいやす力を持っているのですけれども、最近ペットと入れるマンションはできてるんですけれども、ペットと入れる病院はないですよね。つくっていかなければいけない。もっともっと多様性社会をつくっていくというのが、これから求められていることの1つですね。 もう1つは、そこに「人にやさしいまちづくり」というふうに書いてありますね。元気なお年寄りがたくさん増えていく、といってもやっぱり老人になればいろんな機能というのは低下してくるわけです。だから、階段を上るのも大変ですし、そういうための改善をしていかなければいけないというのが、この「人にやさしいまちづくり」という制度なんですね。道には段差をつけないとか、駅のホームにエレベーターをつけるとか、そういうことを積極的にやっていくということなんです。 実は、「人にやさしいまちづくり条例」という条例ができまして、新しく建てる建物は全部そうせなあかんということになっているのですけれども、問題は古い建物はそれをやってないから、それが大変なんです。それでも、まあだんだん改善されてよくなってきているんですね。だけども、そういうハード面の整備というのはどんどんよくなるんですけれども、僕はそれだけが高齢化社会の対応ではないというふうに思っているんです。 点字ブロックって皆さんご存じだと思うんです。黄色い四角の板でイボイボがついているものがまちとか施設にいっぱい敷いていますね。あれは点字ブロックというんですけれども、人にやさしいまちづくりというなかで、あれは、視覚障害者、目の見えない方が歩かれるときに足の裏で察知しながら安全に歩かれるように装置をつけていくということになっているんですけれども、日本はあちこち対応をやりましたけれども、ヨーロッパへ行っても見たことがないんですよ。何でかなと。僕は、最初おくれていると思った。やっぱり日本の方が進んでいると。しかし、福祉の先進国はデンマークですから、デンマークへ行ってコペンハーゲンへ行けば絶対あるだろうと思ったら、ないですよ。行かれましたらわかります。ないです。何でかなと思って市役所に聞きますと、「それ何や」とまず聞かれますね。なぜかというと、向こうは視覚障害者の方が白い杖をついて電車から降りられたらサーッと四、五人寄ってこられるんですよ。「どこへ行かれますか」と。「そうですか。では私がご案内しましょう」ということなんですよ。それは、小学校の時代から徹底して教育しているんですね。そういう目が見えない方は、こういうハンディを持っておられる。健常者の方はこうサポートせなあかんということですから、それはもう生活にしみついているわけですね。日本は何か、科学とかそういう物質によって改善していこうということを考えておるんです。僕は、もっとソフトの方が非常に大事だというふうに思っているのです。だからやることなんて山のようにあるというとこなんですね。 2ページを開いていただきたいのですが、6つ目が少子化社会の問題です。高齢者社会、少子化社会もすべてこれ世代間共生と僕は呼んでいるのですけれども、共生の1つの概念ですね。いろんな方々が仲よく暮らすという世の中をつくっていくというのが共生ですから、そのために課題があるんですね。この少子化社会、この際皆さん方に関係することですが、少子化社会だということで、今、出生率が非常に下がっていて、子供がすごく少なくなっている、これ少子化社会ですね。 これが何であかんかということですが、そこにありますように子供関連産業が低迷する。だから幼児のいろんな服をつくっている会社とか、どんどん子供がいなくなればつくらなくてよくなりますから大変ですね。それから、労働力が逼迫する。だから、雇って仕事をしてもらおうと思っても人がいないということですね。それから、急激な高齢化社会になる。これは分子割る分母は高齢化率ですから、実質的にはどんどん減っていく。母数が増えていかないと割る上の分母が増えていくものですから高齢化社会になる。これは、別に現象だけの話です。 それで、人口の全体的な減少ですね。2007年をピークにして日本の人口1億3,000万からどんどん下がっていく。大体100年後には6,000万ぐらいの人口になるんですね。半分になります。だから2100年には日本の人口は6,000万。半分ぐらいになるということなんですね。コミュニティが崩壊する。祭りをやろうとしても担ぐ人がいないとかね。ほかにも役をやってもらえない。お年寄りがみんな役をやっておって、若い人がいないものですから、何かやろうと思ってもできないということなんですね。 これの一番大事なのは2番目なんです。労働力の逼迫なんですよ。だから、労働力が逼迫すると、つまり雇う人がいないわけですから、そうなると賃金を高くやらないと来てくれませんね。賃金を高くやると物の値段が高くなるんです。物の値段が高くなると売れなくなります。売れなくなると、企業は成り立たないということになるんですね。 この解決策は2つあります。1つは外国人をもっと入れたらいいじゃないかと言われる方があるんですね。僕が人と話していると、こんなの外国人をもっと入れたらええやないかと。看護婦さんはフィリピンの方とか、全部雇ったらいいと。工事現場で働くのはバングラデシュの方とかやったらええやないかと。むろんいろんなソフトウェアでインドの方なんか物すごくそういうコンピューターの扱いなんか、言語ですごいですから、どんどん入れたらええやないかと。今、日本は日系3世の方しか労働できませんから、あとは特殊な技能を持っている人しか入れませんから、基本的には鎖国状態なんですね。だから、それをもっと解放したらええやないかというふうにおっしゃる方がおられるんですね。 実際、これでやっているのはドイツとかフランスなんです。トルコの方とかベトナムの方がどんどんあそこで就業されているのですが、その結果、賃金は低く抑えられて社会は成り立っているのですが、今度は、大学を卒業した人が就職場所がなくて大変になっているんですね。ネオナチというああいう組織をつくって外国人を襲うという、そういう治安が非常に悪くなる社会を選択するかどうか、そこが問われているということですね。それが嫌だったらやっぱりもっと子供をたくさんつくる社会しかないということなんですね。 これはそこに原因が書いてあります。なぜ出生率が低下しているかということですが、女性の社会的進出、晩婚化、非婚化、同居率の低下、社会的不安、このうち1、2、3というのは、これは個人の趣味ですから、結婚しようがしまいが、ましてや女性が働く。大いに働いてもらうのは悪いことではないわけですね。同居するというと、別に同居しなくたってしたって自由ですが、問題は4番なんですよ。だから社会的不安を解消する、この道しか抜け道はないものですから、そうなるともう未来型福祉社会しか出口がない。しかも特効薬がないもんですから、もう徐々にしか産まないんですね。 北欧はスウェーデンで今出生率が1.85ぐらいになっていると思いますけれども、日本は今1.38か、そんなところですね。だから一生涯で1人しか産まない方がほとんどなんですね。北欧1.85、ちょっと前までは2.07だったんですけれども、ちょっと制度を改正して、その費用負担を高めたらてきめんにすぐ出生率が下がってくる。なぜ2.0までいっているかといったら、向こうに行けば大学出るまでただです。だれでも子供を産みますわね。そういう大胆な改善をやっていかない限りこれはなくならない、そんなことです。 7点目が産業振興ということです。これもさっき言ったように地場産業の話なんていうのは別になかろうがあろうがやっていかなあかんということなんですね。ただ、私は、万博というのは非常にビジネスチャンスを生むということが1つですね。それから、学術研究都市というのか、後でそういうのがつくられるわけでして、そこをサポートする多様な職業を生んでくるということです。だからそれで、経済振興というのは今までなかなか自治体がやりにくい分野でしたが、これから地域でまちの経済をどう考えるのかというのを大いにやらなあかんという時代になってくるわけですね。国がいつまでもやってくれる、県がやってくれる時代でない、そういうことなんですね。 そのためにも、僕はものづくりというのは経済の基本だというふうに思っていますから、だから製造業というのをまずどう振興させるかというのが第一です。2つ目が起業家です。皆さん方も3人ぐらい寄って新しい企業つくる。そういうのを当初は金がないし、若者が何かやろうなんて言ってもだれが融資するかと。瀬戸信さんはきっと融資をしてくれるかもしれませんが、そういうことを改善していかなければいけない。そういうことを大いにやっていかなければいけないということなんですね。 むろん工場だけが若者の就業の場ではないわけですから、観光産業とか都市型産業、特にデザイン産業というのはこのまちのストックを生かせるということにもなりますので、大いにやる必要があるということと同時に、産業というのはやっぱり感性豊かなまちに、感性豊かな産業が生まれるということですから、そういう面で大いにまちづくりというのは大切だということです。 8点目が中心市街地の整備活性化ということです。これも先ほど言ったとおりでして、中心市街地の商店街というのは、僕は、まちの活力のバロメーターだというふうに思っているわけです。そういう面で、大いに振興して活力ある商店街に改善していく必要があるということなんですね。 ただ、量で対抗するということではかないませんね。郊外にちょっと大型ショッピングセンターができたら、途端にみんなそっちへ行くわけでして、そういうのとは違う商業地に変えていくということだと思うんですね。そういうことをやって中心市街地の活性化というのもやっていかなあかん。これも話したらきりがないものですから、これぐらいにします。 最後が、地域自治の充実ということでして、まちというのはもともと行政がつくるのではないのです。そこに住んでいる方々が考え、住んでいる方が合意形成してつくっていく。それを支援していくのが行政なんですね。そういうことをやっていくうえでも、まちに関心を持つ、また自分のまちを考えていける住民の方々を発見し、組織し、つくっていく必要があるということなんです。しかも、これが住民だけではまちはつくれないわけでして、住民と行政が対等平等で、パートナーシップと言っているんですが、それをつくってやっていくということが求められていると思うんですね。だから、住民が自主的にいろんなまちづくり活動ですとか、いろんな運動をされるということを積極的に支援をしていくことが必要だと思います。 こういうことで、まだいっぱい課題はあると思いますが、重要だと思うのがこの9点ぐらいあるわけです。だからこれは先ほど言ったように、万博があろうがなかろうが変えていかなければいけないわけですから、こういう問題について積極的にまちづくりという観点から考えていく必要があるということです。 では、さっき言ったように、もう1つの万博ということが今あるわけで、それとまちづくりというのはどういうふうに考えればいいかというのが、そこに書いてある2のところのことなんですね。といっても、私も、実は万博に深くかかわっているわけではなくて、皆さんと基本的に一緒で新聞で情報を得るぐらいです。 見ていても、先ほど小林先生もおっしゃったように全然見えてこない。何をやろうとされているのかというのが全くわかってないわけですから、そういう中でインパクトは何かというのを考えるというのは非常に難しいわけですね。何か明確になればそのインパクトというのは明確に描けるんですね。だから、ある程度今考えられるそういう事象のなかで予測をしながら考えていかなければいけないということなんですね。 万博をやって何があるかというと、そこに5点ほど挙げています。1つは広域交通基盤の早さだというふうに思うんですね。広域交通基盤、あそこに今、今度やろうとしている、たとえば東海環状自動車道というのがあります。名古屋学院大学の近くを通りますが、あれは20年前から既に計画してある道路なんですよ。名古屋瀬戸道路、ああいう道路でももう10年前から計画してある道路なんです。普通だったらそういう道路がその2本だけだったら国は一生懸命やりますが、名古屋圏のなかでも、何十本とあるんです。どれからやっていくかというのは、当然、交通量が多いところ、矛盾が多いところからやっていくというのが普通なんですね。もし何もなかったら、名古屋瀬戸道路にしたって、東海環状自動車道路だってまずできてませんね。そういう面であれをやるというか、整備しようということになっているわけですから、ランクでいったら本当だったらこのぐらいのところが急速に上がって来たということなんですね。だから、そういう面で30年かかるのが10年でできるということがある。この高速道路というのは、先ほど私が言ったように交流時代の基本的条件だと。これからのまちの発展は高速道路のインターチェンジまでいかに早く行けるかによって決まるというふうに言ったとおりでして、そういう面での条件が与えられるわけですから、大いにこれはこのインパクトを活用する必要があるというふうに思うというのが、そこに書いてある1番の話なんです。 2つ目に、世界に向けた情報発信機能が強化されるというふうに思うんですね。1つはよくても悪くても万博って話題になっていますから、そういう面でのインパクトというか、話題性というインパクトがあるんです。それだけのことではなくて、環境万博ということをおやりになるということですから、当然21世紀の人々、人間と自然とのかかわり、人間がどう自然とともに生きるべきかというモデルをつくろうとされているわけです。情報発信しよう、モデルをつくろうと。そういうことを世界に示そうということなんですね。 パリの万博をやったときにはエッフェル塔をつくったんですね。あの当時、あんな高いものをつくるという技術はなかったんですよ。それで博覧会をやってそこにああいう巨大な鉄によって何百メートルという建物を建てるという技術をそこで得たわけです。それと同じで博覧会というのは次の社会に何を残すかということが問われているということなんですね。そういう面でさまざまなモデル都市というのがつくられて、情報発信をされていくということですから、それは非常に大きいんじゃないかというふうに思うんですね。 とりわけ、実はここのところは、先ほど言ったように万博は手段であって目的ではない。目的は何かといったらもともと研究学園都市をつくるということなんです。それがあいち学術研究開発ゾーンという、愛知県、もっと言いますと名古屋は自動車産業で食っていた。これから自動車産業というのは当然輸出をするというのではなくて現地生産というのが原則になっていく。そうなると、今以上の自動車産業の発展は期待できないということですね。自動車産業で大体6割をこの地域の人は食っていますから、自動車産業がこけると皆こけるという、それが中部圏の、この名古屋圏の実力なんですよ。だから、そうなると、やっぱり次世代産業として何を、本当に就業の場としてつくっていく必要があるかということを考えなければいけないわけですね。 豊田佐吉という方が自動織機をつくられて織物の普及に努められて、織物の普及の技術が自動車をつくるという技術に転用されていったわけですね。じゃあ自動車をつくる、自動車のいろんな技術というのはどこに転用していくかということが求められているわけです。それを研究しよう、その拠点をつくろう。そのために研究所をたくさんつくって研究していかなければいけないわけで、勝手に民間でやりなさいということだけではなくて、基礎研究というのはやっぱり公的な機関がやっていかないと、なかなか採算が合うものじゃないものですからできない。そういう基礎的研究をやる拠点をつくる必要がある。それが一番利便性の高いあの区域につくろうというのがもともとの発想なんです。 そういう面で世界にいろんな面で情報発信、あるいは環境を基本とするような、たとえば社会環境研究所であるとか、そういうものをおそらくつくられていくというふうに思うんですね。そうしないと万博の価値がないと思いますから、エッフェル塔をつくらないといかんということになったら、それは何かということが問われているわけですから、そういう面で、僕は、重要な情報発信という機能が強化されていくということではないかなというふうに思うんですね。 3ページですが、先ほど言ったようにいろんな面でのモデル都市をつくるということで、環境重視のモデル都市をつくろうということになっているんですね。多様な実験がここでおこなわれるんです。むろん、そのエネルギーを外へ出さない。ゼロ・エミッションと言いまして、廃棄物というのは絶対に区域から出さないように、そこで処理し製品にしていく。たとえば、プラスチックやペットボトルをそこで消費すれば、それを砕いて繊維にして服をつくって皆さんに売るとか、たくさん持ってきた人に差し上げるとか、そういうことをゼロ・エミッションというふうに言ってるんです。そんな実験ですとか、もうエネルギーも石油を燃やしてやるそういう火力発電ではなくて、太陽光発電であるとか、太陽熱発電であるとか、そういうふうなたくさんのさまざまな実験がおこなわれるわけです。 ここにありますように、太陽光発電、コージェネレーション、あるいは雨水、降った雨をそのまま川に流すのではなくて、それを集めてきれいにして植栽にまくとか、あるいは洗車するにはその水で十分ですから、そういうふうにしてやろう。何も上水道を使う必要はないと。あるいは高齢者のためのホームオートメーションであるとか、24時間のケア体制とか、そのモデルとか、そういういろんな器具とか設備とか、そういうようなのが、まさに高度情報化のいろんな展示、あるいは実験の場としておこなわれていくと思うんですね。むろん、その施設自体、そこにつくられる万博の会場自体が人にやさしいまちづくり、歩行者優先の交通システムとか、むろん防災性の高い都市をつくるとか、そういうことをやられるわけです。 ただ、この難点は、そこだけ超高度な都市をつくるというのはどこが困るかというのは瀬戸市が困るんですよ。それを後で管理するのは瀬戸市なんですね。それで困っておられるんですよね。そんなものをもらったらまだほかのまちは下水道もついておらないのに、そこだけは中水道までついとるとか。その管理は一体どうするのかと。金はどこから出すんだと。こっちから取った税金をそっちにつぎ込むのかと。そうなると、みんな壊して持っていってということになってしまうんですね。そんなので本当にいいかということが、僕はまちづくりに問われているというふうに思うんですね。捨てるのか、あるいは生かすのかということが重要ではないかなということなんです。そういうことがそこで言いたいことなんです。 4つ目が、さっきの中心拠点の整備ということです。あそこの南部地区には、あの後環境進化都市といって名称されているようですが、要するに研究所と住宅と、それから中心にあるショッピングセンターであるとか、いろいろなアメニティーであるとか、そんなようなまちをつくる。まさに、まちがつくられるわけです。当然、そこには買い物の場所もつくられますし、文化のそういうものがつくられていくわけですね。それは、当然、今までの延長ではなくて新しい次の時代の必要な装置とか、設備とか、そういう環境がつくられてくるわけですね。それは、当然、そこへ行って市民が楽しむことができるというメリットがありますが、逆にそういうところに人が吸引されてますます中心地区の空洞化、人がそこからいなくなっていく、そこで買い物しなくなっていくという事態になってはいけないわけです。そういう面で、まさにこれがインパクトになって新しい中心街の活性化の刺激になっていくというふうなこと。それはつくられてからやっては遅いものですから、今からやっていくことが重要なんです。だから、瀬戸市も今から中心地にどういう商業地にしていくのかということをそこの所有者の方々、あるいは商工会議所と一緒に考えて、まちづくりをされているということが現状であるということだと思うんですね。 最後が、先ほどもちょっと言いましたが、私は、これを機会に大変な参加エネルギーが蓄積されていくというふうに思っているんですね。これは非常に貴重だと。このエネルギーは、当日の開催のなかで、たとえばボランティアとしていろんな外国人の方の通訳をやったり、あるいは迷子の世話をされたり、ガードマンをやられたりとかそういう面での参加というのもありますが、今の過程のなかでたくさんの団体の方がこの博覧会に合わせてどうやって寄与していくかということを考えておられるわけです。まさに物すごいエネルギーです。このエネルギーを私はまちづくりに転移をしていかなければいけないというふうに思っているんです。 皆さん方、瀬戸市民の方はご存じですが、学生の方は知っておられないと思いますけれども、瀬戸市は愛知県のなかでも非常に先進的なまちづくりをやっているまちなんですよ。それは水野という地区で住民の人たちが行政とパートナーシップを組んでほたるの里をつくられたり、いろんな休耕田を借りてそこを花畑にされたり、いろんなことをやっておられるのですよ。まさにまちづくりというのはそういうことなんです。そういうのをもっともっと市内全域に広げていかなければいけないということなんです。残念ながら、万博にものすごい人的資源を取られて、大事なのはそういう地域のまちづくりというのをもっともっと高めるために行政は努力する必要があるにもかかわらずそれがやれない。そういう状況にあるというのは非常に不幸だというふうに思っておりますが、そういう面で終わった後にはエネルギーがたまるわけですから、それを一気にまちづくりにつなげていく仕掛けと仕組みが必要だというふうに思っているわけです。 最後になりましたが、まちというのは私は美しくないといけないというふうに思っておるんです。私は、よくヨーロッパへ行くのですが、ヨーロッパは非常に美しいまちがたくさんありますよね。なぜ美しいかというのは単純ですよ。本当にその美しいものを愛する市民がどけだけおるか。もっというと、規制をかければかけるほど美しくなるんですね。ドイツの場合なんか、何であんな町並みがずっとあるかといったら、もう窓を直すにも、あるいは瓦や屋根を直すにも全部規制を受けているんです。だから、たとえば3軒並んでおって、真ん中の家の方が大金持ちで、わしは金が何ぼでもあるからというので鉄筋コンクリートを建てるということはできないんですね。日本の場合は残念ながら原則自由なんですよ。だから、非常にいい江戸時代の町並みがあって、それが何にも規制がかかってなければ、その間の1軒の方が、わしは鉄筋で家を建てると言っても規制できないんですよ。だから、まさに美しいまちというのはいろんな規制を甘んじて受ける市民の方がどれだけおるかということで決まってくるというふうに思っているわけです。そのためには、やっぱりさっき言ったように自治意識ですとか、郷土愛ですとか、そういうことを積極的に高めるということが必要だというふうに思っているわけです。そんなことをこれから考えていけばいいんじゃないかなというふうに思っているということで、私の話は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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