▼ 第10回 グラフ作成演習(3D,数学)
■ 3Dグラフの利用
3D(3 dimension)グラフでは、縦(y)軸・横(x)軸だけでなく高さの(z)軸が追加され、3次元グラフを描画できる。3つの軸で構成される。これを利用すると地図で用いられるような等高線ができる。作成方法は、グラフウィザード1/4で等高線を選択する。
□例題10-1:ピラミッドの作成 |
難易度:★★ |
目安時間:20分 |
等高線 |
等高線でピラミッドを描く。まず、元になるデータ21行×21列を作成する。一番外側のエリア(外周)はすべて0とし、その内側は1,2,3…と増やして、積み上げてゆく。高さが同じセルに色をつける。頂上の高さはいくつになるか。コーナー+を利用し、さまざまな方向から眺める。なお、グラフウィザード4/4で、グラフは作成場所としてシート名は「ピラミッド」にする。
等高線で現れるグラフ要素を2つ挙げる。
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プロットエリアの端をポイントするとコーナー+が現れる。これを摘んで回転させると、CGが展開できる。
【グラフ編集のポイント】
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■ 散布図:Excelで数学を解く
数学の関数をExcelで解くためには、x,yのデータシートを完成させ、これを元に散布図グラフを描く。散布図は、xとyの2つデータの関係を見るために利用される。
作成方法は、グラフウィザード1/4で散布図を選択する。(サンプルを見ながら、マーカーだけのグラフか、線を結ぶグラフかを自分で選択する。)
散布図では、縦軸、横軸とも数値軸となる。グラフウィザード2/4の系列を確認すると、項目軸ラベルがなく、代わりにx軸とy軸があることに注意をする。
□例題10-2:数学関数のグラフ描画 |
難易度:★★★ |
目安時間:20分 |
数学 |
以下の3つの関数をグラフにする。ただし、グラフは方眼紙のように横軸と縦軸のスケール(縮尺)が同じになるようにする。
- 1次関数 y = 0.2x + 0.1
- 放物線(2次関数) y = 0.5 x2
- 双曲線 y = 1/x
なお、xの値(定義域)は-5.0から0.5ずつ増やし5.0まで作成する。
双曲線の作成時に表れるエラーはどのような意味か?どのように修正すればよいか?
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【グラフ編集のポイント】
縦・横軸は同じ書式にする:交差、目盛(間隔・最大最小、表示形式0.0)
数値軸目盛線:表示(GW3/4)、点線に変更
マーカーの非表示
凡例は不要
放物線や双曲線は平滑線(スムージング)とする
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■ データ系列の追加
すでに完成しているグラフに新しいデータ系列を加えることができる。
追加方法は、グラフウィザード2/4で[系列]のタブを選択する。ここから[追加(A)]をし、Xの値(X)とyの値(Y)それぞれの範囲を指定する。
また、ドラッグ&ドロップという簡便な方法もある。
□例題10-3:データ系列の追加 |
難易度:★★ |
目安時間:15分 |
数学練習 |
データ系列をグラフに追加して、上の例題の3つの関数を1つのグラフに描画する。凡例は、各関数の式を表示させる。なお、このグラフはデータシートに作成し、シート名を自分の学籍番号とすること。 |
■ 数式エディタの利用
数式を書くには数式エディタを利用する。メニュー[挿入(I)] → [オブジェクト(O)...]を選択する。オブジェクトの挿入ボックスから[Microsoft数式3.0]を選択すると、数式バーが現れる。数式は図形(オブジェクト)として描画されることに注意する。再編集する場合には、ダブルクリックで編集状態になる。
□例題10-4:数式エディタの利用 |
難易度:★★ |
目安時間:20分 |
楕円 |
以下のような楕円の式をy= へと変換する。
x2/4+y2/1=1
数式エディタを利用し、この正と負の2式それぞれ陽関数の式を記述する。
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■ 離れたデータ系列の選択
離れたセル範囲を複数指定するには、[Ctrl]キーを押しながら、データ系列の範囲を選択する(選択範囲は白黒反転する)。系列となるデータを選択後、GWを実行すると適切なグラフが作成できる。
□例題10-5:楕円グラフの作成 |
難易度:★★★ |
目安時間:20分 |
楕円 |
上の例題で導出した式を用いて楕円グラフを描く。なお、xの値(定義域)は、0から0.02ずつ増やしてゆくこと。
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平方根の関数(=SQRT)を利用する。正の系列(円の上半分)と、負の系列(円の下半分)の2つを作成し、1つのグラフエリアに表現する。
軸:交差、目盛(間隔・最大最小、表示形式0.0)
数値軸目盛線:表示(GW3/4)、点線に変更
マーカーの非表示
凡例は不要
横軸と縦軸のスケール(縮尺)が同じになるようにする。方眼紙のようにする。
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■ グラフ作成のTIPS:グラフウィザードを使わない作成法
データ系列の範囲を選択して [F11]キーを押すと棒グラフのシートが作成される。これが最も速い作成方法である。メニュー[グラフ(C)] → グラフウィザードと同じ順序が現れるので、ここから編集する。
□例題10-6:一次関数の描画 |
難易度:★★★ |
目安時間:25分 |
関数 |
切片aと傾きbを入力すると自動的に直線y = a + bXが変化するような計算シートを作る。
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【作成手順】
- 切片aと傾きbを代入するセルを各自で決める。
- aとbを使って、端点Yの値( = a + bX)を計算する。
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■ グラフへのメモ
図形描画バー(オートシェイプ)を利用して、コメントを記入する。テキストボックス・吹き出しなどの利用する。
グラフエリアとオブジェクトを結合すれば、一緒に動かせる。結合方法は[Shift]キーを押しながらオブジェクトをクリックすると、複数選択が可能となる。ここで右クリックし、ポップアップメニューよりグループ化を実行する。
□例題10-7:サイコロの目の和 |
難易度:★★ |
目安時間:25分 |
確率 |
どの目も同じ確率で生じる2つのサイコロがある。これらの目の和がどのような割合で生じるかをグラフに表示する。
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全部で何通りあるか?2から12までにどのように分布するかをExcelの表で示す。=countif関数で、P(2)=,...P(12)の確率を求め、分布を描く(密度関数)。
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■ グラフ作成のまとめと注意
正しいグラフを作るには、データの特徴を捉えてから、グラフの種類を選択することが重要である。表現方法が間違っていると相手に理解させることができない。
美しいグラフとは、相手にとって見易いグラフ、分かりやすいグラフである。色使い始め、強調したい部分はデータラベルをつけたり、変化を見るには区分線なども活用する。さらに、どのように利用するかによっても配慮が必要である。カラー印刷でなければ、モノクロ印刷で表現できるように、塗りつぶし効果を考えなければならない。
速く作成することも重要である。同じようなグラフはコピーしてから再編集をする。また、[F11]キーから作成し、編集する方法もある。
グラフウィザードの1/4の画面(グラフの種類)でグラフの名称と特徴を確認
▼ 第11回 印刷の設定と確認
■ 印刷
シートやグラフの印刷はWordに比べて難しい。Excelは見たままの状態で印刷できる(WYSWYG)わけではないので、印刷プレビューで確認するなど注意が必要である。また、印刷する用紙サイズやプリンタにも注意を払わなくてはならない。
印刷に関する4つのメニューは[ファイル(F)]から指定する。
- ページ設定(U)...
- 印刷範囲(T)
- 印刷プレビュー(V)
- 印刷(P)
□例題11-1:用紙サイズ |
難易度:★ |
目安時間:3分 |
ノート |
以下の用紙サイズを小さい順に並べる。
A4, A3, B4, B5, 官製はがき,往復はがき
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Aサイズ(A版)とBサイズ(B版)の違いを確認する。A0サイズ、B0サイズを何回半分にするかということを考える。
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■ 印刷ボックスの表示
メニュー[ファイル(F)]→[印刷(P)]、またはショートカットキー[Ctrl]+[P]で、以下のような印刷ボックスが表示される。ここで印刷の詳細な設定ができる。
- プリンタ
- 印刷範囲
- 印刷対象
- 印刷部数
- 印刷プレビュー(W)へ
などが選択できる。
□例題11-2:印刷ボタンとボックス |
難易度:★ |
目安時間:1分 |
ノート |
印刷ボタンと印刷ボックスは何が異なるかを確認する。
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■ 印刷プレビュー
プレビューボタンを押すと、印刷の状態が確認できる。画面上部のバーは以下のように変化する。
このバーからさまざまな設定ができる。[印刷(T)...]ボタンで印刷ボックスが表示される。[設定(S)...]ボタンではページ設定ボックスが、[余白(M)]ボタンで点線が表示される。 [閉じる(C)]ボタンを押し、シート画面に戻ると、印刷範囲が点線で示されている。(確認)
改ページプレビューは印刷する範囲のみを表示するプレビューである。
□例題11-3:印刷プレビュー |
難易度:★ |
目安時間:1分 |
印刷練習 |
印刷プレビューで印刷状態を確認する。シート画面に戻るとどのようになっているかを確認する。
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シートにデータが何も入っていないときには、プレビューは表示されない。
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■ ページ設定ボックス
メニュー[ファイル(F)]→[ページ設定(U)...]で以下のような[ページ設定]ボックスが表れる。ここには、4つのタブがある。
@ ページ : 印刷方向やサイズの指定
A 余白 : 余白サイズや位置の変更
B ヘッダー/フッター : 指定および編集
C シート : チェックボックスから□枠線、□白黒印刷、□簡易印刷、□行列番号、コメントの印刷などが指定できる。
■ 余白の調整(ページ設定A)
余白をマージン(margin)と呼ぶ。余白の設定は、[ページ設定]ボックスの[余白]から、または[印刷プレビュー]の[余白]から行なう。前者は数値で指定をし、後者はマウスでドラッグできる。
ヘッダー部分とフッター部分の幅も指定できる。
センタリングとして水平方向・垂直方向を指定できる。
□例題11-4:余白 |
難易度:★ |
目安時間:5分 |
印刷練習 |
上下の余白を3、左右の余白を2.5に設定する。
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■ ヘッダー/フッター(ページ設定B)
印刷する場合には、ヘッダー(header)とフッター(footer)をつける。ヘッダー/フッターの設定は、メニュー[表示(V)]から[ヘッダーとフッター(H)...]。または、ページ設定ボックスが開き、この[ヘッダー/フッター]タブで行う。
Wordとは異なり、上下3箇所(計6箇所)に設定できる。
□例題11-5:ヘッダー/フッター |
難易度:★ |
目安時間:15分 |
印刷練習 |
ヘッダーの右に作成日、中央に作成時間、左にをつける。
フッターの右にファイル名、中央にシート名、左にページ番号をつける。
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■ シート(ページ設定C)
シートでは詳細な設定ができるので、確実にマスターしてもらいたい。[ページ設定]ボックスから[シート]タブで設定を行う。
- 印刷範囲
- 印刷タイトル
- プリンタの設定(プリンタドライバーによる)
- シート・グラフの印刷
- 印刷の順序
- 行番号印刷
- 枠線印刷
- 白黒印刷
□例題11-6:シート |
難易度:★ |
目安時間:15分 |
印刷練習 |
印刷プレビューで確認する。
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■ 印刷範囲の設定
シートの必要な箇所だけを印刷したい場合には、印刷範囲を設定する。メニュー[ファイル(F)]→[印刷範囲(T)]から[印刷範囲の設定(S)]から行う。
□例題11-7:印刷範囲の設定 |
難易度:★ |
目安時間:5分 |
印刷練習 |
印刷範囲を設定した後、印刷プレビューで確認する。
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■ プリンターのプロパティ
使用するプリンターを確認しないと、うまく印刷できないことがある。
[プロパティ(R)...]からプロパティボックスを表示する。プリンタによってその下面や設定は異なるので、取扱説明書を参照する。
□例題11-8:●●●●●●● |
難易度:★★★ |
目安時間:●分 |
印刷練習 |
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■ 縮小印刷・拡大印刷
シートを印刷する場合、一枚の用紙に収まらない場合も多い。特にはみ出る場合には調整が必要となる。そこで縮小印刷や拡大印刷を利用する。
■ 印刷の実行:シート
□例題11-9:シートの印刷 |
難易度:★★★ |
目安時間:●分 |
印刷練習 |
シートにあるデータ部分だけをA4用紙1枚の中心に収まるように印刷する。なお、ヘッダーには自分の名前・学籍番号をつけ、フッターには、印刷日時(自動設定)がつけてあることを確認し、提出する。
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印刷範囲をセンタリング(水平方向・垂直方向)する。
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■ 印刷の実行:グラフ
グラフだけを印刷するには、シート全体にグラフを作成する方がよい。また、モノクロプリンターを利用する場合には、グラフの見易さを十分に意識する。系列の区別ができなくなる場合がある。このような対応として[データ系列の書式設定]より塗りつぶし効果を使用すると良い。
□例題11-10:グラフの印刷 |
難易度:★ |
目安時間:5分 |
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GDPのグラフをA4用紙1枚に収まるように印刷し、提出する。なお、ヘッダーには自分の名前・学籍番号をつける。フッターには、印刷日時(自動設定)をつける。
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■ 列の非表示
今後必要となるかもしれないデータであるが、作業をする際に邪魔になるような行・列は非表示にしておくと作業がしやすい。その方法は、非表示にする列を選択後、右クリックのポップアップメニューから[表示しない(R)]を実行する。
再表示するには、隠れている左右(もしくは上下)の列(行)を選択後、右クリックで[再表示]を選択する。
□例題11-11:株価グラフの作成 |
難易度:★★ |
目安時間:20分 |
例題集 |
例題のデータからグラフを作成する。このグラフはシートに作成(シート名「」)する。ヘッダーに自分の学籍番号と氏名を記入する。フッターに作成時刻、シート名。
印刷は
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■ ウィンドウの分割と固定
last modified :2007.01.05
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