企業は不確実性を減少させる巨大な情報処理装置であり、ネットワークやコンピュータなどの機械系システムが生まれる以前から、企業組織を構成している人間系システムによって不確実性の減少が図られてきた。

しかし、今日では生産管理システムや在庫管理システムなどによって、生産や販売活動における不確実性は大幅に減少し、経営効率を飛躍的に高める機械系システムが重視されるようになり、どの企業でもコンピユータシステムの構築に力を注ぎ過ぎになっている。機械系システムは道具あると認識すべきであり、いくら道具を備えても経営効率の改善には直結するものではない。もちろん企業活動には機械系システムという道具は重要性であるが、合理的な業務の流れに基づいたシステムでなければ、道具は道具の域を出ない。

今日の経営学をなす方法論は、システムズ・アプローチとコンテンジェンシー・アプローチである。例えば、戦略的マーケティングシステムの顧客ニーズの把握や市場分析は、経営戦略を構築していくうえで欠かせないが、それらは、不確実な情報をもとにこれらの方法論を用いて練り上げられる。これも1つの人間系システムの所産であり、経営戦略も人間系システムによって構築される。

機械系システムも人間系システムもアウトプットは情報であり、それに基づいて行動するところから、経営は意思決定であるとも謂われ、経営情報システムはこの意思決定を支援するものとなる。すなわち、経営情報システムは、経営と本質的に変わらない。

 従って、企業内の組織システムも環境の変化に合わせて組織の硬直化を防止するためのイノベーションが不可避であり、それを支援する情報システムも絶えず変化しなければならない。

自分のボジションをしっかりと認識し、生きがいを持って働く組織構成要員こそが企業を成長させる原動力である。そのためには、経営情報システムは、よりよい決定をするための情報を生み出す仕組みでなければならない。

経営情報システムの捉え方

:経営情報システムは、コンピュータシステムが不可欠ではなく、コンピュータがなくても組織や仕組みが構築されて目的を達成していることが必要条件である。人間が主体のプロセスシステムが企業であり、コンピュータシステムは人間を支援することによって、システム全体の最適化図る。

  
 その研究対象を列挙すると、

(1)業務プロセスシステムを対象
  
構成要員を含むシステム全体をサプライチェーンと見る視点から、サプライチェーンシステムや輸送計画  線形   計画問題として研究する

(2)
生産性や効率性を対象
  
セクションをブラックボックスとした場合には、Inputに対するOutputを指標として分析するとき、DEA問題として研   究する。

(3)システムの記述を対象
  構成要員が属する各セクションの入出力を記述した場合には、情報技術の利用が主となり、情報システムや通信シ  ステムの設計・開発問題として研究する。

(4)不確実性が対象
  各セクションの関係者、あるいは、戦略などの関係者では、不確実な情報に対応する合理的な意思決定やリスク問  題を研究する。

(5)組織の有機性を対象
  システムは、報は決定するために利用されところから意思決定法
を研究する。
  組織体を論ずるときは、経営戦略論を研究する。
 
 コミュニケーションを主体とするときは、情報通信システムを研究する。

経営情報システム、意思決定論、オペレーティング・システム、経営戦略、情報通信システムの研究また、地域計画、エネル ギー・システム、公共政策や環境論問題などの研究

 

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