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 ▼ 第02回 Excelの画面と構造(ブック・シート・行列・セル)

■ 画面の確認

  Excel2000を起動する。起動方法は何通りもある。デスクトップのショートカット、スタートメニュー、関連ファイルなどが主な方法である。
 起動後、以下のような画面が表示される。(使用するパソコンによって多少異なるので、確認をする。)
 なお、Excelで作業をするときには、画面サイズを最大にするとよい。(最大化ボタンをおす)

 □例題2-1:Excelの起動 難易度:★ 目安時間:5分 練 習
   Excelをいくつもの方法で起動する。

■ バーの確認

 Excelの画面上部には、次のようなバーが配置されている。
  • タイトル(title)バー
  • ワークシートメニュー(worksheet menu)バー
  • 標準ツール(tool)バー
  • 書式設定バー
  • 数式バー
これらのバー(タイトル・数式バーを除く)は自由に移動ができる。
バーの左端では、マウスの形状が変わり、その場所でドラッグすると各バーを移動できる。外に出すと閉じるボタンが右端に出る。これをクリックすると非表示になる。

 □例題2-2:Wordとの相違とボタン名 難易度:★ 目安時間:15分 練 習
   Word2000のバーとの違いを確認する。標準ツールと書式設定バーのボタンの上をポイントし、その名前をノートに記入する。また、標準ツールバーはじめ各バーを移動させてみる。移動できないバーはどれか?
Microsoftの製品Word,Excel,Powerpoint,Accessなどのボタンと同じものがある。機能も同じなので早めに覚えておくのがよい。道具の名前を覚え、使いこなせるようになると早く良い仕事ができる。

■ マウスポインタの形状(確認)

  画面上でマウスポインタの形状が変わるところがある。これらを確認する。
 □例題2-3:バーの表示 難易度:★★ 目安時間:15分 練 習
   Excel2000のバーをすべて表示する。全部でいくつのツールバーがあるか?
メニューバーから[表示(V)]→[ツールバー(T)]をクリックし、チェックをすると表示される。

■ シート構造

  作業をするシートは、スプレッドシート(spread sheet)とかワークシート(work sheet)と呼ばれる。このシート上でさまざまな作業ができる(ワークスペース)。縦横の格子状になっており、行(row)列(column)からなる。このような構造であるので、計算が必要となる実用的な表はワープロよりも作成しやすい。
 列は左からA,B,・・・と数え、これを列番号と呼ぶ。左から10列目のことをJ列と表現し、27列目はAA列と表示する・最終列は256列(表示はIV列)である。行は上から1,2,・・・と数え、これを行番号と呼ぶ。最終行は65,536行である。
 □例題2-4:列の表示 難易度:★ 目安時間:1分 練 習
  第27列目はどのように表現されるか。また、第52列目はどのように表現されるか。

■ シート内の移動

  シート内を移動する方法として主に2つの方法がある。
  1. キーボード :  矢印キー(←、→、↑など)を利用するとその方向へセルひとつ分移動できる。下方向へは、矢印キー↓のほか、[Enter]キーでも移動できる。[PageUp]キーを使えば表示画面の最下部の行へ移動できる。右方向へは→キーほか[TAB]キーでも可。
  2. マウス :  セル位置をクリックする。縦横のスクロールバーのツマミをドラッグし、セル位置をクリックする。
移動した先で選択されている部分をアクティブセル(active cell)もしくはカレントセル(current cell)という。アクティブセルは数式バーの名前ボックスにセル番地が表示される。
 □例題2-5:シートの端 難易度:★★ 目安時間:1分 練 習
  最も左にある列番号は何か? 最も下にある行番号は何か?一番端のセルに移動し、セル番地を確認する。
何もデータが入力されていないシートでは、[Ctrl] + 矢印(↓)キーを利用する。 このようにExcelでは、マウスを使うよりもできるだけキーボードを利用するのが良い。

■ セルの特徴

  セル(cell)とは「細胞」、「牢獄」という意味であり、縦の列、横の行に仕切られたエリアを示す。 各セルには、データ(数字や数式、関数・文字などデータ)を入れることができる。(データの入力場所)
 シートには同じ番地のセルはひとつしかなく(一意である:ユニーク、unique)、列番号と行番号を利用する。セル番地は、A1やH3というように数式バーの中に表示される。(セル番地は、コンサートや野球場の座席指定と同じように同じ名前の座席があってはいけない。)
 セル結合を利用すれば、複数のセルをまとめることができる。

セル番地
A1B1C1D1E1F1G1H1I1J1K1L1M1N1?1
A2B2C2D2E2F2G2H2I2J2K2L2M2N2?2
A3B3C3D3E3F3G3H3I3J3K3L3M3N3?3
A?B?C?D?E?F?G?H?I?J?K?L?M?N???
?には行、列番号が入る

 □例題2-6:シートの構成とセル数の計算 難易度:★★ 目安時間:10分 ノート
  256列は2の何乗か?65,536行は2の何乗か?また、Excelのシート一枚には、全部でいくつのセルがあるか?それは2の何乗か?
256=2といった累乗の概念はコンピュータでは重要である。 2×2×2×2×2×2×2×2=というようにアクセサリの電卓などで計算をする。高校で学習した指数計算を利用すると簡単である。
65,536行 × 256列 = 2セル

■ マウスポインタの形状

  シートの各場所によってマウスポインタの形状は異なる。
 □例題2-7:マウスポインタの形状 難易度:★ 目安時間:5分 練 習
  ツールバーの上、セルの上や右下隅、行や列の境界などマウスポインタの形状が変わる場所(部分)を確認する。

■ 行と列の操作

  行や列番号はボタンとなっており、これを利用すると各行の高さや各列の幅を変更できる。マウス操作では、行列の境界線でマウスポインタの形状が変化するので、これをドラッグする。同様に選択した行や列すべてに色などの書式編集ができる。
 □例題2-8:行の高さ、列の幅 難易度:★ 目安時間:1分 練 習
  第15行の高さと第M列の幅を変えてみる。


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 ▼ 第03回 データ入力(文字列データと数値データ)

■ データの種類(文字列・数値データ)

  Excelで扱うデータには、2種類ある。数値計算ができる数値データとワープロ同様の文字データである。たとえば、120は数値データ、abcは文字列データである。
 数値データを入力する際には、テンキーを利用する。
 □例題3-1:データ入力(練習) 難易度:★ 目安時間:2分 Sheet1
  Sheet1にテンキーを利用して、A1のセルに1、A2のセルに2、A3のセルに3、というように、A10まで入力する。また、D1のセルにa、D2のセルにb、D3のセルにcを入力する。
入力したデータがセルの右・左どちらに表示されるかを確認する。

■ 日本語(文字列データ)の入力

  日本語を入力するには、かな漢字変換ソフト(日本語FEP)を起動する。日本語FEPのON/OFFは、[Alt] + [全角/半角]キー で行う。

【日本語入力方法の確認】

  1. A → あ とした後
  2. ローマ字入力(英字キー)
  3. 変換(スペースキー)
  4. 文字確定([Enter]キー)
  5. 入力確定([Enter]キー)
 □例題3-2:表のデータ入力 難易度:★ 目安時間:20分 例題集
  新しいシート(sheet2)に例題のような「大学生の生活調査」のデータ(アルバイト)をキーボードから入力する。
数値データ入力するにはテンキーを利用すること。「〜」は「から」と入力して変換・確定する。

■ 文字列・数値データの表示の違い

  数値データは、一般的に半角、セル右詰、計算可能である。一方、文字列データは全角・半角、セル左詰となる。(セル内の配置はデフォルトの場合)
 日本語は全部文字列データである。

文字列データ 数値データ
名古屋学院大学 123456
University ####################

 □例題3-3:表のデータ構造 難易度:★ 目安時間:2分 例題集
 例題の表は、それぞれ何行何列か?全部でいくつの文字データがあるか?全部でいくつの数値データがあるか?数式バーの名前ボックスを利用し、調査をする。
範囲を選択すると、名前ボックスに10R×5Cと表示されるが、この意味を理解する。

■ オートフィル:効率的なデータ入力

  効率的なデータの入力方法としてオートフィル(auto fill)がある。セルの連続コピーには、この機能を利用する。
 オートフィルの方法は、2つ以上のセルを選択する(パターンをコンピュータに覚えさせる)。セルの右下隅をポイントする。マウスポインタが+になる場所で下方向へドラッグする。
 □例題3-4:オートフィル 難易度:★★ 目安時間:10分 Sheet1
 Sheet1において、 第A列に1から100までを入力する。 第B列に1から200までの奇数を入力する。 第C列に1から200までの偶数を入力する。
1つずつ増加するパターンや2つ増加というパターンを覚えさせる。

■ 表示のエラー(#)

  #(シャープ)は表示ができないというエラー(error)である。数値データに表示される。#が連続して表示される場合、幅が狭いので広くしてやればよい。(他の計算におけるエラーについては後述
 文字列データはセルの右詰めで表示される(デフォルト)。幅が狭い場合には左隣のセルの上へ伸びるか、途中で表示がされない状態になる。
 □例題3-5:表示のエラー 難易度:★★ 目安時間:5分 Sheet1
  10000000を入力し、セルの幅を3.00以下にする。どのように表示されるか?

■ シートの操作

  ワークシートの操作は画面の左下で行う。

  • アクティブシートの変更
  • シートの順序の変更(ドラッグ&ドロップ)
  • 挿入(メニューから)
  • 削除
  • 名前の変更(ダブルクリックでも可)
  • 最左のシートの表示
  • 最右のシートの表示
  • 複数シートの選択([Shift]キー)・・・串刺し演算に利用
これらの方法にも数通りある。メニューバーから、もしくは、シートタブ上で右クリックをし、ポップアップメニューを利用する。
 □例題3-6:シートの操作 難易度:★ 目安時間:5分 例題集
   Sheet1の名前を「練習」に変更する。例題データが入力されたSheet2のコピーを作成する。元データのシート名を「アルバイト」に、コピーをしたのはシート名「小遣い」とする。5枚のシートを新たに作成する。
2枚のシートにデータ1,2を分割する。

■ ファイルの保存と拡張子

  Excelのファイルをブック(book)と呼ぶこともある。何枚ものワークシートを綴っているバインダーのようなので、このように呼ばれる。通常、ファイル名と拡張子で構成されるが、Excel形式の拡張子(extention)は.xlsである。
 ファイル保存の注意としては、保存先としてのドライブ名、ファイル名とファイル形式としての拡張子を必ず確認する。
 一度保存したファイルにはタイトルバーにファイル名が表示される(確認)。Excelで作業を続けファイルを更新するには、上書き保存をすればよい。([Ctrl] + [S]キー : ショートカットキー)コンピュータはフリーズしやすいので、10分毎に保存するといった習慣をつけるとよい。
 □例題3-7:ファイル保存と確認 難易度:★ 目安時間:5分 例題集
  これまで作成したファイルをファイル名を「生活調査.xls」として保存する。保存先を確認し、ファイルの情報(ファイルサイズ、作成日時など)を確認する。
ファイル情報の詳細はメニュー[ファイル(F)]→[プロパティ]で確認するとよい。

■ データの削除とセルの削除

  セル内の不要なデータを消すには、Wordと同様に範囲を選択して[Delete]キーである。しかし、この方法ではセルの中のデータのみが削除されるだけである(書式は残ったままである)。
 セルそのものや行・列を削除する場合には、対象となる範囲を選択後、右クリックでポップアップメニューの[削除]を選択する。
 □例題3-8:データの削除(行の削除) 難易度:★ 目安時間:5分 例題集
  2枚のシート「アルバイト」、「小遣い」にある不要なデータ(行)は削除する。「アルバイト」にはアルバイト収入のデータだけ、「小遣い」には平均小遣いのデータだけとする。
データを削除するのではなく、行を削除する。

■ セルのコメント 

  セルにはコメント(comment)をつけておくことができる。これは講義用の説明メモや覚書として利用できる。
 作成方法は、コメントをつけるセルの上で、メニュー[挿入(I)] → [コメント(C)]で入力可能である。コメントが付いているセルにはセルの右上に赤い表示が現れる。マウスをセルの上にポイントするとコメントが表示される。コメントの表示/非表示の切り替えは、コメントバーを利用するか[表示(V)] → [コメント(C)]で行う。
 □例題3-9:セルのコメント 難易度:★★ 目安時間:10分 練 習
  本日解説した講義内容で、重要な内容をセルのコメントとして挿入する。
重要度や分類によってコメントの背景色を変えると良い。

■ ズーム 

  ズームボタンを利用すると画面表示のサイズを変更できる。[200%], [100%], [75%], [50%]などが用意されているが、自分で任意の倍率も指定できる。また、マウスで指定した範囲を画面いっぱいに表示できる。これを利用すれば作業しやすくなる。
 □例題3-10:ズーム 難易度:★ 目安時間:2分 練 習
  現在表示されているシートの表示を400%, 15%に変更する。


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last modified :2005.11.05