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 ▼ 第10回 最小2乗法による推定値

■ 推定式の利用

  回帰式Y = a + b Xで推定されたパラメータa,bを利用すると、データXが30であったときのYの値を予測できる。(予測値をY0と示す)また同様に、データYが150となった場合のXの値を予測できる。(予測値をX0と示す)このような考え方を応用すれば、経済予測(需要予測)に利用できる。
 ただし、推定式に誤差uが含まれていることは、ここでは考慮していない。
 □例題10-01:予測値の計算 難易度:★★ 目安時間:20分 例題集
Xが30であったときのYの値を予測する。また、Yが150となるXの値を計算する。

■ 経済予測

  誤差uを考慮したとき何パーセントの確率で予測値は正しいであろうかを測定する。
詳しくは、補論を参照。
■予測誤差と信頼限界


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 ▼ 第11回 分析ツールと近似曲線

■ グラフ上に回帰直線を描く(近似曲線)

 これまでの作業を簡単にできるような便利なコマンドを紹介する。グラフの回帰直線・その数式・決定係数を表示するものである。以下の手順で行う。
  1. グラフをアクティブにする。
  2. データ系列を選択する。
  3. メニュー[グラフ(C)] - [近似曲線]を選択する。(Excel2000以降)
    or [グラフ(G)] - [近似曲線]を選択する。(Excel97)
    or [挿入(I)] - [近似曲線]を選択する。(Excel95)
  4. [種類]から表示近似曲線の種類を選択する。(これまでの学習では、線形近似)
  5. [オプション]の前方補外・数式表示・R2表示をする。
 作成後、近似曲線をダブルクリックすると、編集可能となる。(色や線の種類などが変更できる。)
 なお、さまざまなボタンをON/OFFにしてグラフの変化を確認する。また、適当な近似曲線名を記入する。
 □例題11-01:近似曲線 難易度:★★ 目安時間:20分 例題集
 これまで学習した例題( )について、上記の[近似曲線]を使って単回帰の推定値(最小二乗推定値)や回帰曲線を求める。
 近似直線の長さを伸ばすにはどうすればよいか?また、線の色や種類を変えるにはどのようにすればよいか?

■ 分析ツール:回帰分析

 これまでの作業を一度に行えるのが、[分析ツール]の[回帰分析]である。ここでの入力は、[入力Yの範囲]と[入力Xの範囲]と[一覧の出力先]を指定してやる。ここでラベルというのはデータ名のことであるので、データ名を範囲に含めたときにはONにする。また、有意水準も変更できるので、それに応じたt値p値が得られる。出力されるのは、概要として以下の値が出力される。回帰統計:これまで学習してきた内容が出力されている。
  • 重相関 R
  • 重決定 R2(決定係数)
  • 補正 R2(自由度修正済み決定係数)
  • 標準誤差
  • 観測数(データの個数)
 分散分析表:分散分析とは、総平方和(SST)を説明された平方和(SSR)と残差平方和(SSE)に分解するものである。説明変数が増加する(重回帰)の場合には、各説明変数が表の行で表示され、どれだけの説明力を持っているかなどを示すのに便利である。表を見てわかるように、以前、決定係数を学習したときに導出された統計量が計算される。(比較する。)
  • 自由度
  • 変動
  • 分散
  • 観測された分散比
  • 有意 F
回帰残差:
  • 係数
  • 標準誤差
  • t
  • P-値
  • 下限 95%
  • 上限 95%
  • 下限 95.%
  • 上限 95.%
  • 決定係数
残差出力:これまで作成したワークシート内の系列が出力される。
  • 観測値
  • 予測値: Y
  • 残差
 残差に関する事項([残差]、[残差グラフ作成]、[観測値グラフ]など)が必要ならば、チェックボックスで選択すればよい。このツールは、次に行う重回帰分析でも使い方は同じであるから、出力された統計量がどのように計算された結果なのかを十分復習し、理解しておく必要がある。

■ 分析ツールがないときには

  メニュー[ツール(O)]→[アドインマネージャ(I)]を指定して、一覧表から分析ツールのボタンをONにする。
 □例題11-02:分析ツール 難易度:★★ 目安時間:20分 例題集
 これまで学習した例題( )について、[分析ツール]を使って単回帰の係数の推定値(最小二乗推定値)や回帰曲線を求める。以下の統計量がどこに示されているかを確認し、該当セルにコメントを挿入する。
  1. aの推定値
  2. bの推定値
  3. 自由度
  4. 残差平方和
  5. bのt値
  6. 決定係数
  7. 自由度修正済み決定係数

■ マクロ:簡単なプログラミング

 回帰分析用ワークシートなど何度も同じものを作成しなくてはならない場合には、一連の作成手順をプログラムにして保存しておけば便利である。Excelには、Visual Basic(以後、VB)を用いたマクロ言語があるので、これを使ってVBのプログラミング学習をするのもよい。

 マクロ自体の記録・実行の操作は簡単である。メニュー[ツール(T)]→[マクロ(M)]で新規作成を選び、マクロの名前を付けた後に、自分がいつも作成するワークシートを作成してゆけば自動的に手順が記録される。装飾などをした後に、[マクロ記録終了]のボタンを押す。するとシートの末尾にモジュールというシートが自動的に作成され、ここに自分の行った作業が記録される(録音や録画と同じ原理)。この中にプログラムが書かれているので、自分で行った作業がどのように記述されたのかを確認してみよう。
 メニュー[ツール(T)]→[マクロ(M)]→[マクロ実行]を押すことでマクロは実行される。

 これまでの学習内容でDW比などは[分析ツール]に添付されていないので、これを実行できるマクロを各自作ってみるとよい。

 □例題11-03:マクロ 難易度:★★★★ 目安時間:40分 例題集
 


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last modified :2005.11.05